●11月4日(水)13-00 京橋<映画美学校第二試写室>
M-116 『フローズン・リバー』Frozen River (2008) 米/カナダ
監督/コートニー・ハント 主演/メリッサ・レオ ★★★☆☆☆
アメリカ国境の映画は、ほとんどが南部のメキシコとの問題がテーマになるが、これは珍しく北部のカナダとの国境が舞台。
夫が生活資金をギャンブルに持ち出して蒸発したために、ふたりの子供を抱えた妻は、パートの仕事だけでは生活ができない。しかも厳寒の国境地帯は仕事もないのだ。
そこに居住区を持つ原住民モホーク族の女性も夫に死なれて、赤子も親族に奪われた。
偶然に知り合ったふたりの女性は、凍てついた国境の河を車で渡って、中国やパキスタンの密入国者たちをアメリカに移送する闇の仕事で、生活費を稼ぐことにした。
たしかに凍った大河を密入国の手段にするという発想は、ありそうなことで、サスペンスも伴う。
しかし監督は、ただの国際犯罪問題をテーマの軸にしないで、あくまで普通の生活を望む女性の映画としてのスタンスを崩さない。そこが新鮮でもあり『テルマ&ルイーズ』に共通したドラマ性が温かいのだ。
主演のメリッサは、この好演でアカデミー賞にもノミネートされたが、モホーク族の女性を演じたミスティ・アップハムの無表情な演技にこそ、この極貧で過疎な地域に住む女性の強さを感じた。
まさに意表を突いた佳作である。
●2010年1月、シネマライズでロードショー
M-116 『フローズン・リバー』Frozen River (2008) 米/カナダ
監督/コートニー・ハント 主演/メリッサ・レオ ★★★☆☆☆
アメリカ国境の映画は、ほとんどが南部のメキシコとの問題がテーマになるが、これは珍しく北部のカナダとの国境が舞台。
夫が生活資金をギャンブルに持ち出して蒸発したために、ふたりの子供を抱えた妻は、パートの仕事だけでは生活ができない。しかも厳寒の国境地帯は仕事もないのだ。
そこに居住区を持つ原住民モホーク族の女性も夫に死なれて、赤子も親族に奪われた。
偶然に知り合ったふたりの女性は、凍てついた国境の河を車で渡って、中国やパキスタンの密入国者たちをアメリカに移送する闇の仕事で、生活費を稼ぐことにした。
たしかに凍った大河を密入国の手段にするという発想は、ありそうなことで、サスペンスも伴う。
しかし監督は、ただの国際犯罪問題をテーマの軸にしないで、あくまで普通の生活を望む女性の映画としてのスタンスを崩さない。そこが新鮮でもあり『テルマ&ルイーズ』に共通したドラマ性が温かいのだ。
主演のメリッサは、この好演でアカデミー賞にもノミネートされたが、モホーク族の女性を演じたミスティ・アップハムの無表情な演技にこそ、この極貧で過疎な地域に住む女性の強さを感じた。
まさに意表を突いた佳作である。
●2010年1月、シネマライズでロードショー