細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー』アンバランス・アンサンブル。

2009年11月17日 | Weblog
●11月16日(月)13-00 京橋<映画美学校第一試写室>
M-122 『ニューヨーク、アイ ラブ ユー』New York I Love You (2008) 米
監督/ランディ・バルスマイヤー 主演/オーランド・ブルームetc. ★★★☆
10人の監督たちが、10分ほどの短い時間でニューヨークの生活をスケッチするアンサンブル・ドラマ。
過去にもパリや東京をテーマにしたオムニバス映画があったが、これはタイトルのようにニューヨークに捧げる小片集で、ウディ・アレンの『ニューヨーク・ストーリー』ほどの厚みはない。
国際的な雑居都市なので、人種も多彩。その分、ドラマもごった煮に見える。
個性的な監督たちは、それぞれの味わいで大都会の讃歌を詠っているが、混声合唱にしてはまとまりは薄いようだ。これはオムニバス映画の宿命でもあろうか。ひとつの主軸になる人物が欲しかった。 
その点では、この企画が、亡くなったアンソニー・ミンゲラ監督に捧げるだけに、彼の残したシナリオ部分だけが特に印象的に見えた。
ジュリー・クリスティとシャイア・ラブーフが短いがいい芝居を見せている。
ただ、すべてが断片ではなく、登場人物が、別のエピソードにも多少絡むという工夫は面白く、その接点を映画的に工夫した部分はいい接点として、嬉しかった。

●2010年2月、TOHOシネマズ シャンテなどでロードショー