細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『サベイランス』はリンチ家伝来の驚愕スパイラル地獄映画。

2009年12月26日 | Weblog
●12月25日(金)13-00 京橋<映画美学校第二試写室>
M-140 『サベイランス』Surveillance (2007) see film カナダ
監督/ジェニファー・リンチ 主演/ビル・プルマン ★★★☆☆
とにかくデヴィッド・リンチが愛嬢のジェニファーの作品をプロデュースしているのだから、すべてのシーンが気が抜けないような狂気に満ちている。
サンタ・フェで起こった猟奇殺人事件に、ふたりのFBI捜査官が来て、地元警察の協力でビデオカメラによる尋問が始まる。
ところが数人の容疑者たちの口述がそれぞれに異なるので、一向に事件の真実は薮の中。
一方で、ハイウェイパトロールでスピード取締りをしていた二人の警官も事故に巻き込まれて一人が死亡する。それぞれの事件が、どうも関連がありそうなのだ。
さすがはリンチ家のタッチが、「ロスト・ハイウェイ」のような非現実の悪夢へと転落していく様相が、後半は地獄絵となっていく。その落差には鳥肌が立った。
まさに「天使と悪魔」のハイウェイ版で、プルマンのサポートをするジュリア・オーモンドも役者根性を発揮しているのが驚きだ。交通事故で長期入院していたという監督の魔性が再現されたような、リンチ・ファンには見逃せない地獄映画だ。

●3月、シアターN渋谷でロードショー