細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『エクスペリメント』の実験で一体何が実証されたのか。

2010年11月04日 | Weblog
●11月2日(火)13-00京橋<テアトル試写室>
M-134『エクスペリメント』The Experiment (2009)inferno/magnet 米
監督/ポール・シュアリング 主演/エイドリアン・ブロディ ★★☆☆
スタンフォード大学で、学生の心理テストで実験されたというテーマ。
高額の日当で希望したアルバイトたち数十人は、囚人と監視員に分けられた2週間の監禁生活を約束。
会話禁止。暴力禁止。法律の内側と外側の立場となる。
かりに友人同士であっても、立場が対立すれば諍いは当然起きる。
その動物的な本能を、果たして知性が平和的にバランスがとれるか、というのが狙いらしい。
たったふたりの舞台劇なら、もっと感動的な友好のストーリーになったろうが、これはただの監房もの。
すぐに両者が野獣化して、実験は悲惨な結果となる。
こんな判りきったドラマをどうして映画化したのか、最後まで判らず、不快な印象だった。
公平な割り振りな設定なのに、監視員側に様々な自由な特権が与えられていたのではテストの意味もない。
フォレスト・ウィテカーが、次第に野獣化していく演技を演じたかったのだろうか。
いくらでも感動的な要素はありながら、敢えてそれを拒絶したのが作品の狙いとしたら、その実験は成功したのだろう。

■ショートのエラーで出塁したが、オーバーランでタッチアウト。
●12月4日から、ヒューマントラストシネマ渋谷でロードショー