細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『ソーシャル・ネットワーク』は軽快で知的な<ファイト・クラブ>だ。

2010年11月20日 | Weblog
●11月18日(木)13-00神谷町<ソニー・ピクチャーズ試写室>
M-143『ソーシャル・ネットワーク』The Social Network (2010) sony pictures
監督/デヴィッド・フィンチャー 主演/ジェシー・アイゼンバーグ ★★★★☆
ひとりのハーバード大学生が2003年に、失恋の腹いせに立ち上げたパソコンの校内情報が、拡大波及。
あっという間に人気が感染して世界最大の「フェイスブック」となった。
現在世界中で5億人のアクセスを持っている巨大ネットワークの誕生エピソードだ。
その背景プロセスを、痛快な青春映画とした鮮やかなアイデアと技量もまた、これはお見事。
パソコンのスキルや利用度は個人差があるが、この映画はまるでその私有感に似ていて奥が深い。
会話のスピードもウディ・アレン並みだが、映像展開もまたネット処理のように軽快だ。
フィンチャーの映画は、現代の犯罪構造の本質を「セブン」や「ゾディアック」でダークに見せたが、
今回のインターネット戦略エンターテイメントは、あの「ファイト・クラブ」の<IT>版のようだ。
ジェシーの相棒になるアンドリュー・ガーフィールドも曲者でこれからが楽しみだ。
一種「市民ケーン」の現代版のようだが、むしろ「スティング」の痛快さだろう。
しかし前例はともかく、これはただの失恋の青春映画として見た方が面白い。
見事なアプローチで、次回のアカデミー賞候補は間違いないし、一番ピン側近くにつけている。

■ラインドライブの飛球が、左中間のスタンドにあっという間に飛び込んだ。
●2011年、1月15日より、全国ロードショー