●11月22日(月)13-00 京橋(テアトル試写室)
M-144『MAD探偵/7人の容疑者』(2007)中国
監督/ジョニー・トー+ワイ・カーワイ 主演/チャン・クワイバン ★★★☆
香港で実際に起こった警官同士の未解決怪事件をヒントにしたサイコ犯罪映画。
そのテーマを香港ノワールの二人の監督が演出したので、面白いがかなりややこしい。
精神分裂で退職した元刑事に、この難事件解決の協力を求めた現職刑事は、現出する多重人格の容疑者に翻弄される。
随所にイメージされた幻覚人像が現れるので、見ているこちらは、それが現実なのか幻覚なのかに見間違う。
とくに事件よりも、女性関係までが煩雑に展開する。
犯行に使われた拳銃のナンバーまで、こちらは認識できまい。
これは監督の意図した映像ゲームなのだが、やたらと幻覚が頻発するのでアタマが混乱する。
あの「シャッター・アイランド」のように、単数の幻覚ならフォローできるが、ここでは錯乱され続ける。
従って、事件の本筋よりも、この幻覚人間の関係を考えているうちに、映画は唐突に終わった。
つまり、ビデオゲーム感覚の犯人探し映画で、黒沢明の「野良犬」のように単純ではない。
分裂症の元刑事のキャラクターだけならエキセントリックでいいが、映画そのものの編集が分裂症気味なのが惜しい。
アタマの勉強向きの犯人当てゲームだ。
■満塁のランナーを置いてのセカンドライナーで全員アウト。
●2011年2月、新宿K’s シネマ他でロードショー
M-144『MAD探偵/7人の容疑者』(2007)中国
監督/ジョニー・トー+ワイ・カーワイ 主演/チャン・クワイバン ★★★☆
香港で実際に起こった警官同士の未解決怪事件をヒントにしたサイコ犯罪映画。
そのテーマを香港ノワールの二人の監督が演出したので、面白いがかなりややこしい。
精神分裂で退職した元刑事に、この難事件解決の協力を求めた現職刑事は、現出する多重人格の容疑者に翻弄される。
随所にイメージされた幻覚人像が現れるので、見ているこちらは、それが現実なのか幻覚なのかに見間違う。
とくに事件よりも、女性関係までが煩雑に展開する。
犯行に使われた拳銃のナンバーまで、こちらは認識できまい。
これは監督の意図した映像ゲームなのだが、やたらと幻覚が頻発するのでアタマが混乱する。
あの「シャッター・アイランド」のように、単数の幻覚ならフォローできるが、ここでは錯乱され続ける。
従って、事件の本筋よりも、この幻覚人間の関係を考えているうちに、映画は唐突に終わった。
つまり、ビデオゲーム感覚の犯人探し映画で、黒沢明の「野良犬」のように単純ではない。
分裂症の元刑事のキャラクターだけならエキセントリックでいいが、映画そのものの編集が分裂症気味なのが惜しい。
アタマの勉強向きの犯人当てゲームだ。
■満塁のランナーを置いてのセカンドライナーで全員アウト。
●2011年2月、新宿K’s シネマ他でロードショー