細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ウッドストックがやってくる!』は家庭改革と青春カミングアウトだ!

2010年11月25日 | Weblog
●11月24日(水)13-00 京橋<テアトル試写室>
M-146『ウッドストックがやってくる!』Taking Woodstock (2009) focus features 米
監督/アン・リー 主演/ディミトリ・マーティン ★★★☆☆
あの1969年の「ウッドストック」コンサートは、50万人の若者たちを集めた歴史的ロック・イベントだった。
そのロックシーンは当時記録映画として公開されたが、その背景はまさにパニック状態だった。
40年ぶりに再現されたこの作品は、ロックではなく、あの時代の境目としての家族を見つめている。
倒産寸前のモーテルを、どうにか立て直そうとしていた青年は、裏の野原でのロック・コンサートを企画。
ところが、ベトナム戦争の泥沼化に反発した多くのピッピーや若者たちが突然ウッドストック村に集結した。
3日間のイベントの外側で、その若者ディミトリの3人家族は結束し、それぞれの生き甲斐を見つける。
これはそのささやかな人間らしい再生へのホームドラマ。
「ブロークバック・マウンテン」で繊細な人間像を描いたリー監督は、大騒ぎのイベントを尻目に、この家族の姿を主役にして見せる。
かすかにあのイベントのサウンドを聞かせながらも、若者と老夫婦は自分らしい人生を探す。
それを見守る映画の視線が、監督の意図して非常に暖かく描かれて心地いい。この作品の狙いは愛と希望なのだ。
よく時代を再現しつつも、ちゃんと人間ドラマをしての主軸をぶれさせない演出は、とても好感が持てた。

■ファール狙いの小フライが、ラッキーにファースト頭上を超えるヒット。
●2011年1月15日より、渋谷ヒューマントラストシネマでロードショー