●『アンストッパブル』のどうにも止まらない映画的なド迫力。

●１２月７日（火）１３－００　六本木＜FOX試写室＞
M－１５２『アンストッパブル』Unstoppable (2010 ) fox
監督／トニー・スコット　主演／デンゼル・ワシントン　★★★★
痛快な暴走列車が主役の上出来ド迫力エンターテイメント。
アメリカの鉄道の大半は、いまでは長い車列の貨物列車の運行がメインだ。
操車係のミスで動き出した貨物列車。危険な化学薬品を搭載していて、もし転覆すると周辺家族に人的被害がでる。
ペンシルヴァニアの地方工場地帯には、減速制限のカーブがあって、列車のスピードを落とさないと危険だ。
同時間に逆方向に貨物列車を移動していたデンゼルは、無線を頼りに事故防止に挑む。
ヘリコプターによるレスキューに失敗して、路線上で解決するしか時間はない。
FOX映画としては、あの「スピード」以来の車両暴走映画。
なかなか手に負えない無人の悪役を止めるには、男の勇気と知恵と実行力だ。
早期退職のベテラン運転手デンゼルと、離婚問題を抱えた若いクリス・パインはこのノンストップの怪物に対決する。
有無を言わせぬスピード感と、CG駆使の危険な撮影、そして過剰な金属音。
これで一気に映画は疾走する。この動的な快感も、文句なしに映画ならではの魅力だ。
あの「暴走機関車」や「新幹線大爆破」よりストレートなのが、映画の加速をつけた。
怖いもの知らずのトニー・スコットの、余計なシーンを入れずに走り抜いた男性娯楽映画の傑作だ。

■弾丸ライナーがセンターのフェンス上部を直撃。好走塁のスリーベース。
●２０１１年１月７日とり、日劇などでロードショー