細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『トスカーナの贋作』に見る偽りのような夫婦ゲームの真違。

2010年12月16日 | Weblog
●12月15日(水)13-00 京橋<テアトル試写室>
M-155 『トスカーナの贋作』Certified Copy (2010) bibi films, canal+ 伊
監督/アッバス・キアロスタミ 主演/ジュリエット・ビノシュ ★★★☆☆☆
トスカーナの街で、イギリス人作家が著書の「贋作」に関する講演をした。
帰国の時間までの間、主催したギャラリーの女性オーナーと近所をドライブする。
映画は、そのふたりの午後を通じて、まるで夫婦間の調整のような意見の対立を見つめて行く。
まるでロッセリーニ監督の「イタリア旅行」の贋作のようだ。
はじめは、それぞれの人生の現状を話していたのに、次第にお互いの感情の交錯に戸惑い、過去を追想したりする会話は、まさに熟年の夫婦の姿だ。
これを現実の夫婦と見るか、ただの男女の諍いと見るかは、観客の感性に任せる、と、監督はいう。
イランの名匠キアロスタミの視線が揺らぐ不思議に緊迫したラブストーリーだ。
ジュリエットの味のある好演も、曲者。

■イレギュラーなライトへのゴロを野手が後逸して二塁打。
●2月中旬より、渋谷ユーロスペースでロードショー