細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『リミットレス』は無理なエンディングにリミットあり。

2011年09月01日 | Weblog

●8月31日(水)13−00 六本木<シネマート試写室>
M−106『リミットレス』Limitless (2011) paramount / relativity media
監督/ニール・バーガー 主演/ブラッドリー・クーパー <105分> ★★★
収入もなく妻に逃げられ、一行も書けない作家志望のダメ男ブラッドリー。
「ハングオーバー」のままの最悪な精神状態の日、別れた妻の弟に路上で再会。
未開発の元気の出る新薬を一錠もらう。それを飲むと脳が活性化されて、やる気が出るというのだ。
たしかに潜在能力が復活して、アパートは整理するは仕事ははかどるは。でも禁断症状で元に戻る。
当然、常備薬として必要になり、義理の弟のアパートに行くと、彼は殺されていた。
大都会の精神混乱サスペンスとして、グレゴリー・ペックの「蜃気楼」や、ロック・ハドスンの「セコンド」の系統。
視覚的にかなりトリッキーなヴィジュアルで疾走する前半のテンポは面白い。
しかし謎の企業買収の仕掛け人ロバート・デ・ニーロが出現してから、作品のタッチが変わる。
薬の禁断症状や、解毒作用は関係なく、ダメ男のサクセスストーリーに豹変してしまう。
メディカル・サスペンスから、どうもアクション・バイオレンスの様相となるのだ。
おまけに呆れたエンディング。結局、薬に騙されていたのは、見ている我々という次第。
プロデュースの兼ねているブランドンのハングオーバーは、まだ続いているようだ。

■デッドボールで出塁したが、セカンド盗塁失敗。
●10月、TOHOシネマ六本木ヒルズなどでロードショー