細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●わたしが一番好きだった刑事コロンボ。さようなら。

2011年09月26日 | Weblog

●ミステリマガジン11月号/追悼ピーター・フォーク特集/アンケート寄稿

わたしの「刑事コロンボ」
     第14話『偶像のレクイエム』    細越麟太郎(映画評論家)

 シリーズがスタートした当時は毎回のように見ていたので、ベストとなると、どうしても初期の番組の印象が強い。
テレビよりも映画が好きだった関係もあって、ゲストに映画スターが犯人役などで出ると、どうしても見入ってしまうのだった。
その点で『イヴの総て』(50)でブレイクして、多くの作品で印象深いアン・バクスターが落ち目のハリウッド女優を演じた14作目の『偶像のレクイエム』(72)が楽しめた。
当然のように名作『サンセット大通り』(50)にインスパイアーされたような着想もいいが、彼女は『生きていた男』(58)でも、二重人格的な性癖と美貌を武器に演じてみせてコロンボを混乱させる。
監督がキム・ノヴァクのパートナーだった『媚薬』(58)のリチャード・クワイン。
しかもオードリー・ヘプバーンのご主人メル・ファーラーと、ハリウッドでは超セレブなコスチューム・デザイナーのイディス・ヘッドも顔を出すという、いかにも映画通好みの趣味的な一本だ。