●11月30日(水)13−00 京橋<テアトル試写室>
M−148『マシンガン・プリーチャー』Machine Gun Preacher (2011) safady entertainment
監督/マーク・フォースター 主演/ジェラルド・バトラー <129分> ★★★☆
出所した暴れん坊のジェラルドが、教会で改心したのか、アフリカの難民を救うために銃を取る。
サム・チルダースという実在の男の、呆れたような単独美談だ。
実際には30年もの苦労があり、現在もスーダンの孤児たちを救済するための活動をしているという。
ユニセフのような活動を個人で遂行し、しかも私財を投げ打って現地のゲリラと銃撃戦を戦う。
まさに「アフリカのランボー」なのだ。
実在の美談だから、文句はない。
しかし、どうも動機がわからない。あれだけの不埒な暴力亭主が、どうして、ここまで神になろうとしたのか。
おそらく30年の間には、様々な労苦があったろう。なにしろピッツバーグの実家だって、火の車なのだ。
その驚異的な変貌のきっかけになった宗教との接点が、このシナリオでは不明なのだ。
しかも頻繁な渡航や機材の調達は、どうしてこれだけ続けられたのか。
そして30年してもスーダンの問題は何も解決されていない。
「ランボー」のようなアクション映画ならいいが、「チョコレート」のようなヒューマンな監督としては荒すぎた。
ふとハンフリー・ボガート主演「神の左手」の、よく似たプロットを思い出してしまった。
■ライト後方に落ちるヒットだが、セカンドを欲張って憤死。
●2月4日より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかでロードショー