●12月7日(水)13−00 渋谷<ショウゲート試写室>
M−152『ドライヴ』Drive (2011)bold films / oddlist entertainment
監督/ニコラス・ウィンティング・レブン 主演/ライアン・ゴズリング <100分> ★★★★
素晴らしい映画感覚に構築された、久しぶりの本格ノワールの登場だ。
ライアンは車の修理工だが、ハリウッド映画のカー・クラッシュ・スタントもやっている。
単に窃盗犯の逃亡ドライバーとしてアルバイトをしているが、孤独なプロフェッショナル。
商売柄、車の性能や、夜道の抜け道、ヘリの追跡をかわすフリーウェイの下などを熟知しているのだ。
仲間の逃亡の手助けをしたことから、その異才を買われて裏組織の大きな仕事にテをだした。
しかし友人がハメるれて、彼とガールフレンドの身辺もヤバくなる。
金の問題ではない。仁義の問題だ。そして彼は決死のリベンジに挑む夜。
デンマーク出身のレブン監督は、なにしろ、よくノワールの古典を勉強していて、鮮やかなタッチには隙がない。
とくに、夜の路上の疾走感は抜群。スムーズで美しい。
寡黙な主人公の、ほとんど個人プレイなので、余計な会話もなく、カメラもロスの夜道を鮮やかに躍動して見せる。
つまり、演出、演技、撮影、脚本、音楽の五拍子が、完璧に機能していて見事だ。これはめったにない。
マイケル・マンの「ザ・クラッカー」や、コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」のような衝撃だ。
カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したのも納得できる傑作だ。
■痛烈なレフト頭上のライナーがフェンス上部を直撃のスリーベース。
●2月、全国公開予定