●12月22日(木)15−30 六本木<アスミック・エース試写室>
M−162『しあわせのパン』(2011)@ムービー、二十CUE/日
監督/三島有紀子 主演/原田知世 <114分> ★★☆☆
ま、こーゆー映画もある。という意味では不思議な作品。
例のオフ・ビートな「プール」や「トイレット」のようなスノッブな味もない。
まるで焼きたてのパンのように、ただのパンのような、それだけのトッピングのない作品だ。
おとなの漫画。人畜無害な少女コミックのような。時空が停止したような空白の時間が狙いだったのだろう。
都会を捨てた夫婦が北海道の洞爺湖を見下ろす丘で、オーベルジュのようなパン屋をしている。
そこに訪れる客のエピソードが、四季に分けられて語られるオムニバス。美しい季節の風景が無為に美味しい。
しかし、人間のドラマとしては、隔世の感のある「絵空事」だ。虚空のようだ。
ほわーっとして、息抜きの気分で見るにはいいかもしれないが、メルヘンとも違い、退屈な時間だった。
まるで無印良品のブレッド・カフェのような、無色な気分。
それでも、こんな夢に憧れる女性の気持ちも判るが、もっとリアルな味つけの工夫が見たかった。
■ほわっと上がったファーストのファールフライ。
●1月28日より、全国ロードショー