細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『アンネの追憶』で再現される、あの悲劇の周辺。

2011年12月28日 | Weblog

●12月27日(火)13−00 築地<松竹試写室>
M−164『アンネの追憶』Memories of Anne Frank (2009) focus films italy
監督/アルベルト・ネグリン 主演/ロザベル・ラウレンティ・セラーズ <99分> ★★★
「もうひとつのアンネの日記」というアリソン・レスリー・ゴールドの原作をベースにして、父親の回想で語られる戦争の悲劇。
とくにアンネの親友ハネリの視線で、アンネの悲劇を再現。
あの名作で描かれた内容と、さほど新しい真実は見当たらず、またナチスの残虐な暴挙が展開する。
たしかに舞台劇や、50年代のミリー・パーキンスの映画は、隠れ家の密室ドラマだったが、今回はアウシュヴィッツまでの行程を再現。
しかし、どうしてまた、今になって、あの悲劇を描くのかは、結局は判らない。
戦争の悲劇を忘れないため、というのなら、もっと新しいアングルで見たかった。
すべてが英語で語られるのも不自然だが、ナチスの兵隊が全員達者な英語を話すのも、どうも嘘っぽい。
単に、このフィルムが英語版なのかもしれない。
イタリア映画というのも妙だが、おそらく世界各地の公開を狙ったのだろう。
かなり一方的に誇張されたナチスの残酷さも、今さら時代がかって、困ってしまう。
ま、「アンネの日記」を知らない世代には、恐るべき歴史の悲劇かも知れないが・・・・・。

■平凡なセンターフライ
●来年4月、有楽町スバル座でロードショー