細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『トガ二(仮題)』で提訴される謎めいた痴呆児童虐待学校のリアルな背景。

2012年01月19日 | Weblog

●2月17日(火)13−00 銀座<東映第2試写室>
M−007『トガニ<仮題>』Togani  (2011) c.j. entertainment 韓
監督/ファン・ドンヒュク 主演/コン・ユ <125分> ★★★☆☆☆
韓国で現在500万人もの人が見たという大ヒット作品を、ブラインド・ホールド(無情報)試写で見た。
海に面した地方都市。そこの痴呆症児童養護学校の教師として赴任した若いコンは、夜の校内で不審な泣き声を聞く。
警備員に尋ねると、恐らく言語障害のある学生が、奇声を発しているのではないか、と促す。
しかし、あきらかに顔面に傷のある少年や、足に怪我のある少女が目立つ。
彼らは15歳前後だが、孤児が多く、耳は聞こえても、言葉は話せない。まさに「羊たちの沈黙」だ。
腑に落ちない彼は、いろいろ背後調査をしてみると、教師側の一方的な性虐待行為が繰り返されているらしい。
これは、韓国の小都市であった、実際の事件の裁判までの経過を、異色のサスペンス作品にしている。
あのポン・ジュノ監督の名作「殺人の追憶」と似た背景で、同じ制作会社の新作だ。
恐ろしいのは、この事実を知っている警察や裁判所も、家族のない孤児からの訴訟はないことを、日常的に無視していたことだ。
映画は、その日常化した世論の風化に、青年の怒りで映像化して、かなり話題になった。
青年教師を演じたコン・ユの、頼りな気な表情がいい。
日本では、これからタイトルも含めて公開の準備が始まるというが、応援したい。

■強烈な右中間のライナーがフェンス直撃のスリーベース・ヒット。
●この夏、7月以降、全国ロードショー予定