細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『ハンター』で一瞬見える<タスマニア・タイガー>の哀しい眼。

2012年01月21日 | Weblog

●1月20日(金)13−00 <六本木>アスミック・エース試写室>
M−009『ハンター』The Hunter (2011) Screen Australia 豪
監督/ダニエル・ネットハイム 主演/ウィレム・デフォー <100分> ★★★☆
オーストラリアの南方、タスマニア島はユネスコの世界遺産に指定されている自然保護区。
フリーランス・ハンターのウィレムは、絶滅したというタスマニア・タイガーを探し出して、その生体サンプルを採る。
バイオ・テクノロジー社の依頼で荒野に入り、その捕獲ポイントに罠をかける日々の徒労。
地元の過疎な離村の家に部屋を借りるが、地元住民の嫌がらせに閉口している矢先に不審事が連発する。
ただの狩猟ハンター映画だと思ったら、横やりの横行するスパイ・サスペンス風の展開となっていく。
借りた家の亭主もハンターだったが、行方不明。そして家も不審火で消滅。
ノイローゼ気味の奥さんと二人の子供も被災、どうも腑に落ちない陰謀で、狩猟も邪魔され難航する。
土地の閉鎖的な島国根性が、ハンターの仕事を妨害するが、彼はついに獲物を見つけた。
全部タスマニアでロケしたという、自然の美しさが、とにかく見ものの絶景。その撮影は素晴らしい。
ラストでタイガーを射止めたウィレムが涙するのは、いかがなものか。
「ディア・ハンター」のように、ラストは幻想にしてくれた方が、こちらは気持ちが良かったのに残念。
幻は、幻のままでいいのに。

■ファールでやたら粘った末のフォアボール。
●2月4日より、丸の内ルーブルなどでロードショー