●4月12日(木)13−00 六本木<シネマートB−1試写室>
M−145『プレイ/獲物』La Proie (2010) studio canal+ french film
監督/エリック・ヴァレット 主演/アルベール・デュポンテル <104分> ★★★☆☆
「アーティスト」同様に、これもまた古き良き娯楽映画の基本に戻った作品。
つまり元々はハリウッドのお家芸だった、<鬼ごっことかくれんぼ>の精神を再現した勇気は好感が持てる。
組織にハメられ無実の冤罪で投獄されていたアルベールは、同僚の悪事に気がついて、脱獄を試みる。
あの「逃亡者」と同じ発想だが、家族の危険を感じての強行というのが、捻ってあるシナリオ。
警察は彼を追うが、彼は真犯人の善良そうな凶悪犯を追う。
逃げる間にも、銃弾を喰らっても、それは、いつもかすり傷。このご都合主義が立派。
事件の裏に気がついた女性刑事アリス・タグリオー二が、シャープな追跡を続ける。彼女の存在が、いかにもフレンチの香りだ。
まあ、とにかく、よく走る映画だが、カーチェイスも空撮を使って、ハリウッドのようなデジタル処理はない。
これが、娯楽映画の基本なのだ。
当然、不死身の主人公も、全編走り続けて逃げ切って見せるのが、いかにもB級アクションの醍醐味。
これだけ古風に、成り振りかまわずの映画魂を見せる根性には、拍手したい。
もともと映画って、このような活動紙芝居だったのだ。
■右中間に抜けるゴロのヒットだが、俊足を飛ばしてのスリーベース。
●6月30日より、ヒューマントラストシネマ渋谷などで、ロードショー