細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『白雪姫と鏡の女王』ああ石岡瑛子さん、あの毒リンゴを食べちゃったの?

2012年07月14日 | Weblog

●7月13日(金)10−00 六本木<シネマート3F試写室>
M−083『白雪姫と鏡の女王』Mirror Mirror (2012) relativity media, yuk films
監督/ターセム・シン・ダンドワール 主演/ジュリア・ロバーツ <106分> ★★★☆
グリム童話「白雪姫」のファンタジックなCG実写版。
見るべきはジュリア・ロバーツの魔性な後妻女王の娘イジメと、美貌の限界挑戦の悪役ぶり。
鏡に向かって呪文をかけたり、毒りんごのマジックがきかなくなったり、魔女も大変なのだ。
そして何よりも全編童話的な石岡瑛子さんのコスチュームの、何とも突飛なデザインと色彩。
延べ300着もの衣装デザインを描いたというユニークさは目を見張る。

この2点を見るだけでも充分楽しい。
「ザ・セル」や「落下の王国」のインド出身の異才ターセム監督も、今回は有名な童話なので意外に忠実にストーリーを再現する。 
ファンタジックな宮殿の超現実離れした設定や、7人の小人たちの竹馬武装などアイデアは面白い。

その点では、一連のディズニー、ピクサー・ブランドとは違う。
あくまでも大衆的に、とくに子供の学芸会感覚を優先したサービス精神は好感が持てた。
ただし、クライマックスの王女の結婚と、魔法が解けてからの王様の復帰は呆気ない。
せっかくのドラマなのだから、もっと粘って盛り上げなくちゃ。
ま、毒りんごを売る元女王の老婆ぶりは、案外、ジュリアが一番変装したかった部分だろう。
エンドクレジットで「イン・メモリー・オブ・エイコ・イシオカ」とクレジットされた時には心の中で拍手した。
資生堂同期入社の旧友、石岡瑛子さん、いい仕事でしたね。
天国でも、相変わらずに斬新なデザインで上の連中を魅了してください。ありがとう。

■ショート後方のフライが風で流れたラッキーなヒット。
●9月14日より、丸の内ルーブルなどでロードショー