●10月1日(月)13−00 六本木<シネマートB1試写室>
M−118『もうひとりのシェイクスピア』Anonymous (2011) columbia pictures / relativity media
監督/ローランド・エメリッヒ 主演/リース・エヴァンス <129分> ★★★☆
映画の原題は「匿名」。
あのシェークスピアには文才はなく、実はゴーストライターがいた。というミステリー。
有名な劇作家の彼には、もともと大して学歴もなく、イタリアに旅行したこともなく、自筆の原稿すらない。
という噂は、昔からあって、あのオーソン・ウェルズやチャップリンも、偽物による代筆だと言っていたという。
そのネタを、ここで、真しやかに再現してみせる。ま、一種の、ホラ話再現ドラマだ。
それを、最小限の光量で、いかにも歴史解明ドキュメント風に、大真面目にエメリッヒが証明して見せるのが面白い。
監督は「デイ・アフター・トゥモロウ」や「インデペンデンス・デイ」の、あの大作を撮っているので、ここでも細部に拘る。
衣装やセットはもちろん、大掛かりな16世紀末のロンドンを、得意のVFXで再稼働。
ここまで入念にやるからこそ、ホラ話は真実味が出て来る。
名作「恋におちたシェークスピア」では、ちゃんと一生懸命に創作し、彼の恋は「ロミオとジュリエット」まで生んだ。
おかしいのは、エリザベス1世を好演している、ヴァネッサ・レッドグレイブは、ジュリエットに手紙を出していたではないか。
ま、不思議な部分は多いけど、トラビア伝説を全面否定するという大掛かりな映画も、ゾンビものと変わらない。
であれば、このホラ話も、一応あり、ということで楽しんではどうだろうか。
■大きなホームラン級の当たりだが、失速してレフト・ファールフライ。
●12月22日より、日比谷TOHOシャンテなどでロードショー