細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ドリーム・ハウス』夢の新居購入がサイアクの悪夢となるのか。

2012年11月10日 | Weblog

●11月9日(金)13−00 渋谷<ショウゲート試写室>
M−133『ドリーム・ハウス』Dream House (2011) universal studios/ morgan creek pictures
監督/ジム・シェリダン 主演/ダニエル・クレイグ <92分>アルシネテラン、ショウゲート配給 ★★★☆☆
またしても、ジェームズ・ボンド氏、最悪のトラブル。しかも、ここでは時空も越える悪夢だ。
先日見たばかりの「ボディ・ハント」も、訳ありの家に住んだためにトラブルに巻き込まれるスリラーだったが、これも大変。
マンハッタンでの職を辞して、コネチカットの新居に家族と住むことにした作家志望のダニエルは気分一新。
しかし、この家も家族も、どうも変なのだ。ドリームとは<夢>でなく、<悪夢>の方。
一体全体、何で5年前に殺人事件のあったという家を、わざわざどうして彼は買ったのだろう。
しかも実は、家は古いし、妻やふたりの娘も、隣人の凝視も、どうも他人行儀でおかしいのだ。
前半は、この違和感も、ドラマの不具合も、何かあるのかなーーと見ていると、後半はガラリと仰天展開する。
ミステリーなので、ここでネタばらしは無礼なので、ルールとしてできないが、実はかなり大胆で面白い。
メジャーなユニヴァーサルと、モーガン・クリークが大スターを起用しての新作。
しかし作品の質が、非常にマニアックなので、日本配給の東和映画が投げ出したという心配も判る。
いつも、かなり知的でエモーショナルな傑作を作る監督だから、たしかにドラマは入念。
そうか、5年前の事件と現在とは、まったく別のドラマなのか、と気がつくと、このミステリー、なかなかの曲者なのだ。
でなかったら、多忙なボンド氏や、ナオミ・ワッツ、レイチェル・ワイズなどが、一緒に出る筈もない。
映画や小説の専門的な推理レトリックに興味のアル学生さんや、専門家は必見の異色作だ。
終わってからの謎解きには、映写時間よりも時間がいる難物だ。

■サード強襲の当たりがファールグラウンドへ、それを慌ててセカンドに暴投。
●11月23日より、シネマサンシャイン池袋などでロードショー