●8月8日(木)13−30 六本木<シネマートB1試写室>
M−097『ストラッター』Strutter (2012) Allison Anders / Kurt Voss / french fanclub
監督/アリソン・アンダース&カート・ヴォス 主演/フラナリー・ランスフォード <87分>B&W 提供/フルモテルモ、オデッサ・エンターテイメント ★★☆☆
低予算で無名の役者を使い、監督が制作、脚本を書いてハンディ・カメラで撮りまくる。
よくあるインディ・ムービーの典型で、商業映画としてのバックアップは少ない。
そんな悪条件でも、映画を作りたがるムービー・フリークの若者は多い。
「イージー・ライダー」や「ファイブ・イージー・ピーセス」「パリ、テキサス」なども、発端はそのプロセスに似ていた。
この作品も、タランティーノやイーサン・コーエンなど、インディーズの先輩たちの協力で作られたというロードムービー。
問題は、そのテーマの本質に、何か新鮮な起爆剤があるのか、どうか、だろう。
敢えてモノクロームで撮影されたこの映画にも、たしかに映画的な初心のもどかしさは見られる。
でも、いかんせん、このテーマ、失恋と迷走のロック・アーティストというには、あまりにも生彩がない。
70年代の、あの反戦ヒッピーズのパワーもなく、ただ無毛の砂漠をあてもなく徘徊するのでは、困りものだ。
タイトルは「気どり屋」なそうだが、むしろ「ドリフター」ではないだろうか。
あの時代の、懐かしい8ミリ・ホーム・ムービーを見ているような寂しい印象だった。
■ファールを連発したものの、ボテボテのセカンドゴロ。
●9月14日より、ヒューマントラストシネマ渋谷などでロードショー