●8月26日(月)10−00 内幸町<ワーナー・ブラザース映画試写室>
M−103『42/世界を変えた男』<42>warner brothers / legendary pictures
監督/ブライアン・ヘルゲランド 主演/チャドウィック・ボーズマン <128分> 配給/ワーナー・ブラザース映画 ★★★☆☆☆
1947年の春。ブルックリン・ドジャーズのジェネラル・マネジャー、ハリソン・フォードは決断した。
白人のスポーツだった、メジャー・リーグの歴史に、初めて黒人の選手をラインアップに入れた。
それが名手ジャッキー・ロビンソン。背番号の「42」は、メジャー球団の名誉ある永久欠番となった。
当時の、あの戦後のアメリカの新しいプロ野球界の復興には、どうしても黒人選手と、黒人のファンが欲しかったのだ。
名作「L.A.コンフィデンシャル」でアカデミー賞を受賞した脚本家のブライアンは、あの時代を忠実に再現する。
時代背景となるスタジアムの喧噪はもちろんだが、重要なのは、当時まだ残っていた白人優位主義の大衆感情の表現だ。
9人のメンバーの中でたったひとりの黒人。しかも大観衆もマスコミも他球団も、その都市も、ジャッキーの登場を白眼視した。
「やっと太平洋戦争が終わったのに、球場は南北戦争の最中だ」と、彼はボヤく。
最初の打席。予想されたように、ピンボールが彼の頭上をかすめる。
フォアボールで出塁したジャッキーは盗塁して、セカンドへの暴投を誘いサードに進む。そしてホームスチールだ。
ノーヒットでも1点。これでドジャースのファンも渋々と拍手。
「・・バカな相手の挑発には絶対に乗るな。彼らのレベルで戦っては負けるに決まってる・・」とGMは諭すのだ。
ジーター、A・ロッド、リベロ、そしてイチロー。いまやメジャー・リーガーは多国籍軍なのだ。
その原点を懐かしい時代背景と、新しい視線で描いたヒューマン・ドラマの感動作だった。
現在、歴代の野球映画第二位のヒット中だという。
■レフト・ライナーが意外に伸びてそのままフェンス直撃のスリー・ベース。
●11月1日より、丸の内ピカデリーなど全国ロードショー