●12月18日(水)13-00 六本木<FOX映画試写室>
M-158『 L I F E ! 』The Private Life of Walter Mitty (2012) twenties century fox / samuel goldwyn films / new line cinema
監督・主演・ベン・スティーラー 共演・ショーン・ペン。シャーリー・マクレーン <115分> 提供・20世紀フォックス映画 ★★★☆☆
まさかまさかの、あのウォルター・ミティ氏との夢のような再会である。
われわれ後期高齢者でハリウッド映画ファンには、特別の意味を持つのが、1947年に制作されたダニー・ケイ主演のコメディ『虹を掴む男』だ。
恐れ多くも・・・・この作品は、その66年ぶりのリメイクというので駆けつけた。ま、これは、つまり、あの映画の「66回忌の法事」のようなものだ。
まさか、今頃になって、あの珍作にして不朽の名作が再映画化されるとは、・・・。あのスピルバーグがリメイク企画していたことは聞いていたが・・・。
実際にやっちゃった、のは、何とベン・スティーラー。しかも監督と主演をやってくれたのだ。まさに怖いもの見たさ・・・とは、これである。
もちろん、あのジェームズ・サーバーの原作を、当時のままに再現するのではなく、ここでは現代のニューヨークでの、別の設定となる。
何と、あの最近、廃刊となった情報誌「LIFE」のラスト・イシューの編集部が舞台となり、ベンは写真などの資料保管係で、とうとうリストラとなる。
自然写真家のショーンから届いたフィルムには、1枚のネガが抜かれていて、その問題の1枚を表紙にすべく、ベンはショーンのいるヒマラヤにスタバのコーヒーを持って飛ぶ。
パソコンのネットで送ればいいのに、アフガンの僻地から、何と郵送。というのが、妙に40年代感覚。
しかも、あのダニー・ケイは極度の夢想家で、現実にときどき彼の想像が映像としてカットインされて、そのアイデアが当時ひどく秀逸で評判になった。
今回のベンも同様に、ときどき、想像と現実が入り交じるというパラノイア。しかし本筋は前のスパイ騒動ではなくて、ネガ探しのとんでもない冒険談となる。
ま、そこは時代の差。いいではないか。おまけに彼はひどいマザーコンプレックスでもあって、今回のママは、おおお・・・シャーリー・マクレーン。
一応、ベンとしては「ナイト・ミュージアム」や「ペントハウス」のノリであって、先輩のダニー・ケイとはまた別のキャラとなって苦戦している。
前作をご存知ない、いまのファンには、ただのコンプレックス・コメディとして楽しめるだろうが、われわれの世代にとっては、法事映画なのだ。
だから多少の小言はあっても、それは胸に秘めて、サミュエル・ゴールドウィンの強力に感謝した。どうも、ありがとう。で、☆をプラス。
■ファールで粘って、意外のショート後方のバスターヒットで俊足の2進。
●2014年、3月、全国ロードショー