細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『オー!・ファーザー』の受難だらけな伊坂インシデント。

2014年05月03日 | Weblog

4月30日(水)13-00 内幸町<ワーナー・ブラザース映画試写室>

M-045『オー!ファーザー』Oh! Father (2014) yosimoto creative agency / warner brothers

監督・藤井道人 主演・岡田将生 <103分> 配給・ワーナー・ブラザース映画 ★★☆☆☆

伊坂幸太郎の原作映画化では「重力ピエロ」と「フィッシュ・ストーリー」が非常に面白くて好きだった。

日常的な状況なのに、かなりアンバランスでクレイジーな状況がミックスされた不自然さが、いかにもリディキュラスな空気を作っていた。

この作品では、なぜか4人の父親と生活している高校生の災難を描いているが、先日見たばかりの韓国のノワールもどき映画「ファイ」と同じだ。

ま、発想はアレクサンドル・デュマの「四銃士」のもじりなのか、ただ、麻雀仲間が居座ったのか、さっぱりワケが判らない生活状況から事件となる。

これも「伊坂ワールド」の設定の不自然さからの発想なので、問題の「妻」という女性が終始不在なので、これって「白雪姫」の小人たちなんだ。と勘ぐる。

コーエン兄弟の「オー・ブラザー!」とは、もちろん、関係ない。でも、4人のオヤジがいて、どうしてタイトルは「ファーザーズ」にならないのか。変。

レンジャーズのダルビッシュ投手にそっくりな岡田青年は、不登校の友人の消息を探ったことから、とんでもない拉致事件に巻き込まれて行くという設定は定番。

ただし、この作品は、ワーナーは配給だけで、制作は「吉本興業」なので、結局はテレビのバラエティ番組の流れの軽さが、終始平板でお茶の間騒ぎなのが残念。

テレビ会社が制作した映画には、その番組の個性を、強引に映画館で拡大上映する傾向があって、映画ファンには、どうも違和感が伴うのがマジ、甘い。

だから、テレビの連続番組を自宅で見るだけの気軽さであれば、これはこれでもいいのかも。

ユニークな「伊坂ブランド」を、久しぶりに期待したのが、甘すぎた。

 

■ヒットエンドランの狙いが、セカンド正面のゴロ。

●5月24日より、角川シネマ新宿ほかでロードショー