●5月9日(金)10-00 内幸町<ワーナー・ブラザース映画試写室>
M-047『MONSTERZ / モンスターズ』(2014)日本テレビ・ホリプロ・バップ
監督・中田秀夫 主演・藤原竜彦 <112分>配給・ワーナー・ブラザース・ジャパン ★★★☆
コミック・ブック<AKIRA>をバイブルのように手にした青年、藤原竜彦は母親からも恐れられているモンスターだ。
よくハリウッド映画にあるような<狼の目>をした野獣や、キャット・ピープルではなくて、彼はブルーに光る眼力で人間たちを操る。
銀行員たちの業務を一時フリーズ停止させて、大金を奪うことができるので、生活には困らない。そのパワーで彼は父親も葬ったのだ。
誰でも意識的に操ることのできる彼の前に、ひとりだけパワーの通じない青年、山田孝之が現れたことで、大衆を巻き込むパワーゲームが始まる。
映画は、このモンスター同士の争いで大都会の群衆を巻き込む「戦争」になるのだが、さすがにハリウッド帰りの中田監督はドラマ作りは巧妙で飽きさせない。
もしこれがワーナー・ブラザース社の「バットマン」のようなキャスティングで制作されていたら、それなりに重厚な見応えの娯楽エンターテイメントになっていただろう。
惜しむらくは、主演ふたりの若さだ。ま、国内での興行的な計算では、ゲーム世代の興味を、この若いふたりで引きつけることができるだろう。が、・・・どうも若すぎる。
せめて、浅野忠信とか役所広司のレベルの年齢の役者がモンスターであれば、当方はもっと楽しめたかもしれない。ま、それは無理な想像にすぎないのだが。
しかし、ラストでは、モンスターが一人だと思っていたら、クレジットでは、「MONSTERZ」になったので、ああそーーーか。と気がついた。
このふたりは、どちらもモンスターであって、Sではなく<Z>の複数というのは、ふたりともゾンビだったのか。という狙いに気がついた。遅いなー・・。
つまり、このようなコミック(喜劇ではなく)ものの、ヴィジュアル世代には、これはこれで、かなりの「優れもの」なのかも知れない。
■高いライトフライだが、野手の落球を誘いヒット。
●5月30日より、新宿ピカデリーなどでロードショー