細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『サード・パーソン』の無関係な三重構造寓話の怪。

2014年05月24日 | Weblog

5月21日(水)12-30 京橋<テアトル試写室>

M-053『サード・パーソン』Third Person (201) Corsan and highway 61 production / volten pictures

監督・ポール・ハギス 主演・リーアム・ニースン <137分> 配給・プレシディオ ★★★

もう2005年というから、ほぼ10年前になるが、あの「クラッシュ」でアカデミー作品賞を受賞したポール・ハギス監督の新作。

どうしても、あの栄光の感触から脱皮できないような、作家としての心情を底辺にしたストーリー・テリングは、どうも底が見えていて苦しい。

ピュリッツアー賞を受賞した小説家のリーアムは、その後にヒットがなくて、妻と別居して、パリのホテルで執筆している。というのが一人。

原題はグレアム・グリーンの「第三の男」を思わせるが、この作品では、このパリと、ローマとニューヨークのランダムな3都市の男の話が絡む。

ローマでは悪徳ビジネスマンのエイドリアン・ブロディが、ジプシーの女性とバーで知り合ってから、抜き差しのならない情事に落下していく。

ニューヨークでは、アーティストのジェームズ・フランコが、ノイローゼ気味の夫人との親権をめぐる離婚訴訟でトラブルにハマっている。

この苦境の3人の男の無関係な関係が、おそらく最後では劇的な接点で合体するだろうと予測して、この長過ぎる3本立てのような映画につきあってしまった。

しかし、柳の下にはドジョウはいなかった。脚本家として多くの受賞作のあるポールのレトリックは、構造が多重なのが取り柄だが、今回は魅力に乏しい。

いつまでたっても、この三大都市の話は接近しないし、だいいち、あまり面白くないエピソードばかりで一向に解決の方向が見えてこないのだ。

やっと、ラストになって、リーアムの小説が書き上がった頃になって、どうやらその小説の中のストーリーが別の都市の話だったのか・・・という気がしてくる。

しかし、これはネタバレになるし、わたしだけの憶測なのか、それとも退屈して、途中で眠ってしまったのか、どうも釈然としないままに映画は終わった。

 

■フルカウントからの当たりは、レフト後方に見えたが失速してファールフライ。

●6月20日より、TOHOシネマズ日本橋などでロードショー