●10月20日(月)13-00 半蔵門<東宝東和試写室>
M-118『チェイス!』" Dhoom 3 the Movie " (2013) Yash Raj Films Pvt./ YRF. 印
監督・ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ 主演・アーミル・カーン <151分> 配給・日活・東和映画 ★★★☆
だいたいインド映画は長いので遠慮がちだが、これはシカゴでのオールロケによるアクション・サスペンスというので、2時間半のおつきあい。
しかも本国では歴代ナンバーワンの大ヒット作品だという。というのも、原名タイトルのように、これはシリーズの第3作という。つまり人気シリーズなのだ。
シカゴを拠点にして興行をはるインド・サーカス団も、1990年には資金ぐりが苦しくて、ウェスターン銀行からの借金が命とりとなって、裏組織によって団長が殺された。
それから現代となり、当時は少年だった団長の息子アーミルも成人して、このサーカスを立て直す人気者になっていたが、裏では銀行の下請け組織との間で抗争が続き、彼は自身の裏技で対抗。
それはサーカスで鍛えた軽業の芸を活かして、巧みなモーターサイクル芸によって、銀行を襲い、金庫の裏金を頂戴しては、警察との派手な逃亡劇を繰り返していた。
まさにあの「ブルース・ブラザース」のシカゴ警察との攻防戦のように、多くのパトカーを煙にまくオートバイでの空中アクションの迫力は、さすがにハリウッドも圧倒する爽快さだ。
しかもインド映画特産の、大掛かりな<ムンバイ・ミュージカル>の颯爽としたライン・ダンスも披露するので、このアンビリーバブルな、アクション・ミュージカルの妙味は飽きさせない。
何でこうなるの????という疑問を嘲笑するように、ド派手なアクションとアップ・ビートのライン・ダンスは、いかにもムンバイ映画。この異様なお祭り光景は、一種の観光的魅力でもある。
逃走の際に被弾したアーミルは、警察の逮捕調査では、傷痕も見当たらず釈放。実は彼には出生の秘密があった、ということが後半で明らかになるが、これは<ネタバレ>になるので、書けない。
つまり、多くのサーカスでのトリックと同じ隠し味が、このドラマの重要な裏付けになっていて、ラストではお涙頂戴、という寸法で、さすがはインド産の大盛りカレーの美味となる。
騙されたと思って見て楽しむのが、この長尺インド映画の醍醐味だろう。
■大きなレフトフライが、ドームの天井に当たって、ツーベース。
●12月5日より、TOHOシネマズ・みゆき座などでロードショー