●6月に見た新作試写ベスト5
*1・『さよなら、人類』(ロイ・アンダースン)主演・ホルガー・アンダースン ★★★★☆
ブラック・ユーモアで描かれた人間模様のおかしさと哀しさ。マジめにして滑稽。矛盾と挫折だらけの人生でも意味があり、哀しくも笑える日常スケッチの秀作。
*2・『マッドマックス・怒りのデスロード』(ジョージ・ミラー)主演・トム・ハーディ ★★★★
30年ぶりに復活した<極限の狂気>は、荒涼とした砂漠を疾走する改造車の群れ。モラルやイデオロギーを無視して暴走する映画という視聴覚暴力の、これは試練。
*3・『人生スイッチ』(ダミアン・ジフロン)主演・リカルド・ダリン ★★★★
ありがちな日常のボタンのかけ違いで転落する人生の罠。6つのエピソードは全て我々も遭遇しがちな些細なスイッチの判断ミスを、おかしくも哀しく描いたオムニバス。
*4・『Mr・タスク』(ケヴィン・スミス)主演・ジャスティン・ロング ★★★☆☆☆
深夜のラジオ番組のキャスターが、カナダの山奥に住む車椅子の老人にインタヴューに行ったきり行方不明。プールサイドには一匹のセイウチが鳴いていた変質の喜劇。
*5『夏をゆく人々』(アリーチェ・ロルヴァケル)主演・モニカ・べルッチ ★★★☆☆
ローマ郊外の農園で養蜂を営む一家の夏の日に訪れる、貧しくも不思議で美しい奇跡を、まさにフェリーニのような感性で描いたイタリア映画の新人女性監督に拍手。
*6月は傑作が多くて、とても5本に絞るのは辛い豊作揃いでした。
★『ラブ&マーシー』ジョン・キューザック
★『チャップリンからの贈りもの』グザヴィエ・ボーヴォア
★『日本のいちばん長い日』原田真人
★『フレンチアルプスで起きたこと』リューベン・オストルンド・・・・などなど、