●7月21日(火)10-00 半蔵門<東宝東和試写室>
M-091『ミニオンズ・3D』" Minions " (2015) Universal Studios / Illumination / comcast company
監督・ピエール・コフィン+カイル・バルダ 主演(V)サンドラ・ブロック <91分> 配給・ユニヴァーサル+東宝東和映画
いきなり3Dの、あの地球が回転するユニヴァーサル映画ご自慢のタイトルが、ミニオンズたちの奇怪なコーラスで始まるところから笑ってしまう。
イエローなバナナのような、しかし、それよりは💊のような薬状のミニオンズたちが、奇怪な舌足らずのフランス語のような会話で、恐竜時代からの存在を語る。
ま、ユニヴァーサル映画なのだから、「ジュラシック・ワールド」の宣伝PRも兼ねているつもりなのだろうが、この奇妙な黄色い錠剤のようなルックスで暴れ出すのだ。
原始時代から、古代エジプト時代、スペインの海賊時代、フランスの革命時代を経て、1968年に怪盗グルーに出会うまで、奇妙なトリビアでミニオンズに成長を紹介。
さっぱり訳のわからない吃ったフレンチは、当時の人気者の、ダリー・コールの演じた「幸福への招待」や「殿方ご免遊ばせ」などのオヨヨ大統領そっくりである。
一応、ケビン、ボブ、スチュワートと名乗る3匹のミニオンズは、故郷の仲間を、より住みやすい新天地を求めて、まさに三銃士のような活躍を重ねてロンドンにやってくるのだ。
そこで悪女のサンドラは、まさにジェームズ・ボンドの宿敵「スペクター」のような暗黒なテロ組織のリーダーだが、ミニオンズたちを鉄砲玉の子分として悪用する。
彼女の目的は、スコットランドの王室の座を奪い、新しい女王になることだったが、肝心のミニオンズは、その邪悪な企みに抵抗しだすのだから、アクションは007の展開。
もともとは、「怪盗グルー」や悪党家族の「ネルソン・ファミリー」のキャラクターを生み出したパリのピエール・コフィン監督の悪どいブラック・ユーモアがベースなのだ。
それをユニヴァーサルの怪獣や怪奇映画の伝統の社風で味つけているので、これは、あきらかに健全なディズニー・プロへの挑戦状だとも取れるのだ。
これでもか、これでもか、とブラックなユーモアを活かした怪演で、ミニオンズは悪玉組織の王座奪還のテロリズムに抵抗して、呆れるべきラストを迎えることになる。
おかしいのは、その逆転のあとのエンド・クレジットの間も、ミニオンズはスクリーンを支配して飽きさせない。これもまた見上げたエンターテイメントなのだ。
■ピッチャーゴロをセカンドも後逸、ライトがサードに送った送球がフェンスまで転々の、ランニングホームラン。 ★★★★
●7月31日より、全国夏休みロードショー