●1月6日(水)13-00 内幸町<ワーナー・ブラザース映画試写室>
M-002『X-ミッション・3D』" Point Break " (2015) Warner Brothers / Alcon Entertainment / DMG
監督・撮影・エリクソン・コア 主演・ルーク・ブレイシー <114分> 配給・ワーナー・ブラザース映画
いきなり、切り立った岩山の頂上のエッジを、オートバイで数人の男たちが駆け抜け、飛び回るという曲芸シーンで圧倒された、ことしの最初の試写。
ああ、またも「マッドマックス」の再来のような爆音とスピードが、フルスロットルで、こちらの視聴覚を撹乱する。
大きな3Dスクリーンを縦横に走るバイクには、恐らく監督がカメラをヘッドにつけての疾走だろうが、トソ気分の手前としては、またも酩酊の正月気分だ。
で、そのライダーが一緒に走っていた仲間に名前を聞かれて、ヘルメットを脱いで「おれの名前はジョニー・ユタだ」と言った瞬間、おおお。。と、目が覚めたようだ。
なになに、お前、ーー<ジョニー・ユタ>・・・といえば、あの2004年のキャサリン・ビグロー監督の快作『ハート・ブルー』のヒアヌ・リーブスの名前ではないか!!!
思わずジョークかと吹き出したが、試写室では誰も笑わないので、いきなり困ったが、そういえばタイトルの「ポイント・ブレイク」も、あの「ハート・ブルー」と同じなのだ。
でも、資料には、どこにも、あの傑作の12年ぶりのリメイクだとは書いていないが、その<ジョニー・ユタ>が、実はFBIの僣入捜査官だという設定もまったく同じで、それからも展開は似て来る。
あの「ハート・ブルー」は、もともとサーファー仲間の覆面強盗団だったのを、キアヌの捜査官が仲間入りして、その犯罪計画を当局に報告していたが、ここでは少々違う。
超高層ビルの大きな企業の金庫から大金を強奪して、パラシュートで脱出するという軽業を演じたギャングは、次々に離れ業の芸当を見せるのだが、必ずしも凶悪犯罪ではない。
その連中と親しく交流していくジョニー・ユタの行動は、まさに「ハート・ブルー」と同じなのだが、後半になってくると、犯罪というよりは、エクストリーム・スポーツの極意に迫るのだ。
輸送機からのパラシュートなしの落下、高い崖からの単独フライトや、凄まじい激流下りや、直角の絶壁登りなど、・・・あのトム・クルーズも辞退するような冒険の連続にめまいが起きる。
それでもユタ捜査官は、そのスポーツ連中の犯罪の核心に迫るべく、命がけのチャレンジを繰り返すので、後半はあの「ハート・ブルー」とは別のターゲットを模索していくのだ。
主演のルークは好青年だが、キアヌのような甘いスター性がないので、とにかくスポ根丸出しに、超危険な曲芸スポーツの3Dアクションには目が回った。お疲れ様でした。
■セカンドの頭上を抜けた当たりが、センターでバウンドを変えて、脚のツーベース ★★★☆☆
●2月20日より、新宿ピカデリー他でロードショー