細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』の奇妙奇天烈なティム・バートンの幻想ワールド。

2016年12月15日 | Weblog

12月7日(水)12-30 六本木<FOX映画試写室>

M-156『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』" Miss Peregrine's Home for Peculiar Children " Twenties Century Fox Production/ Chernin Entertainment

監督・ティム・バートン 主演・エヴァ・グリーン、サミュエル・L・ジャクソン <127分・3D/ビスタサイズ> 配給・20世紀フォックス映画

久しぶりに朋友ジョニー・デップを抜いての、まさに<ティム・バートンの奇妙な映像世界>といいたい、とびっきりにペキュリアーな幻想的な映像遊戯の新作。

ま、ハリー・ポッターを卒業した「ファンタスティック・ビースト」に対抗したような、これはティム・バートン・ブランドの<グリム童話>的な映像夢想ワールドなのだ。

老いたテレンス・スタンプが、内気な少年ジェイクに話して聞かせる・・・という、あのディッケンズの「ジャングル・ブック」のスタイルで、この奇妙なストーリーは展開する。

フロリダの古びたゴシックな屋敷は、あの「大いなる遺産」のように不気味だが、その家の裏庭には不気味なスワンプと密林が広がり、カラフルで奇妙な鳥や生物たちが棲息していた。

そのホラ話のような老人の話で、現実から夢想する少年は、精神的な妄想を持つ様になり、その治療をするために、父とイギリスのケルン島に行く事になり、そこで不気味な庭に建つ「レベッカ」の屋敷に行く。

老朽で不気味な屋敷には、まるで魔法使いのようなエヴァ・グリーンが、実に奇妙な人種たちを従えて、その屋敷と奇妙なエリアを守るために、邪悪な白眼のサミュエル・L・ジャクソンと戦っていた。

ま、ストーリーは奇怪で奇妙で、例によって<ティム・バートン・ワールド>であって、いちいち説明しても、こちらの方のアタマが変になってしまうように、童話的な展開をしていく。

たまたま、この試写に行く前に、同じ六本木界隈なので、国立新美術館で開催中の<サルバドール・ダリ展>を見に行ったのだが、まさにダリの描く夢想世界はバートン美学と共通しているようだ。

だからハリー・ポッターよりも奇怪な魔法をつかうミス・ペレグリンと、その取り巻きの不気味な<お化け人形>とゴシック屋敷でのファンタジックな映像遊戯は、まさに夢を見ているような錯覚。

もしかしたら、「ダリ展」での信じられないような、クレイジーな大混雑で、こちらのアタマの中も、ダークなファンタジーの幻想世界に迷い込んでいたのかも知れない。

 

■アタマをかすめるような無痛のデッドボールで進塁。 ★★★☆???

●2017年、2月3日より、TOHOシネマズ日劇などでロードショー