細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『無限の住人』の無限の殺陣に耐えられるか!!

2017年02月23日 | Weblog

2月13日(月)13-00 内幸町<ワーナー・ブラザース試写室>

M-019『無限の住人』(2017)製作プロ・OLM+楽映舎 「無限の住人」製作委員会、ワーナー・ブラザース映画ジャパン

監督・三池崇史 主演・木村拓哉、杉咲 花 <139分・シネマスコープ> 配給・ワーナー・ブラザース映画 

やっと試写の情報が16日に解禁になった国産時代劇だが、なぜかワーナー・ブラザース日本支社が製作に絡んだ作品が「最後の忠臣蔵」以来、「るろうに剣心」三部作のヒットで増えた。

東映や松竹などの老舗の本格時代劇とは一味も二味も違った視線のコミック系映画化時代劇は、たしかに海外市場にも視線を意識したスタンスが面白いのは確かで、この傾向は続きそうだ。

なにしろ映画に関する情報は、たった一枚のチラシのみで、この映画の原作が講談社の沙村広明のものであって、おそらくは「るろうに剣心」なみのヒット・コミックなのだろう。

山本陽子の妖怪のような魔女に一命を救われたキムタクは、体に出来た無数の傷で不思議なミミズのような害虫に体内汚染されて、血液は不死身の幼虫に入れ替わった浪人なのだ。

その木村拓哉は、まさに片目の<座頭市>のような形相になって、ナゾの助っ人稼業をしていたが、全編を片目で演じているので、まさに<片目のジャック・素浪人>。

少女の杉咲 花が、両親を殺されて単身で外敵に向かう姿を見かねて、つい<子連れ狼>のようにガードマンになったのがキッカケで、何と、数百の侍たちに囲まれてしまうというピンチになる。

そこは不死身の剣のワザを駆使して、まあ、バッタバッタと数十分の殺陣で、あっという間に皆殺しにしてしまう、その森の中の殺陣は、あの健さんの花田秀次郎のレベルを凌ぐのだ。

片目に傷のある素浪人なので、あの座頭市よりは有利だろうが、とにかく日本映画史上最大の敵を相手にして、キムタクは壮絶に殺陣を繰り返して行くサマは、まるでミュージカルのようだ。

監督は「一命」で、歌舞伎役者の市川海老蔵の映画主演を果たした三池なので、かなり気合いの入ったマジ時代劇であることは、片目の無頼侍の木村拓哉の形相の凄みでも期待できた。

ま、あの海老蔵侍の他にも、田中岷や、山崎努もワキで絡んで来るので、日本映画としての重厚さもある異色殺陣映画なのだが、ちょっとリアリティを超越していくのは、コミック・ベース。

重苦しいケンゲキ時代劇がやっと終ったら、エンディング・クレジットは「るろうに剣心」のようなロック・ビートで我々を現実に引き戻すのだが、かなり疲労するのは、マジ見ていてシンドイ。

 

■大きなファールを連発のあとショート直撃のゴロが左中間へのヒット。 ★★★☆

●4月29日より、GW全国ロードショウ