細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ライフ』は地球帰還ロケット内の想定外サスペンス。

2017年07月17日 | Weblog

7月11日(火)9-50 二子玉川・109シネコン・シアター10スクリーン

M-078『ライフ』" LIFE " (2016) Columbia Pictures / Skydance Productions / Sony Pictures 

監督・ダニエル・エスピノーサ 主演・ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ <104分・シネマスコープ>配給・ソニー・ピクチャーズ

どうも試写状のニュアンスでは、作品の実態が予測できないし、なぜか他の作品と毎度バッティングして見逃していた作品だが、気になっていたのでご近所シネコンの早朝に飛び込んで見た。

あの異色ケッサク「デッドプール」のスタッフが作った新作なので、まさかコメディではないだろうが、タイトルの意味も曖昧だし、SF映画ということ意外は、さっぱり内容がわからない。

ちょっと見分けのつかないルックスのジェイクとライアンなので、同じ宇宙服を着ていては<地球人>だろうということぐらいしか区別が着かず、わが真田広之が搭乗しているのも不思議。

とにかくナゾだらけのSF新作なのだが、このドラマは火星観測ロケットが、その星態監査の任務を終えて帰還してくる船内からドラマは始まり、女性船長レベッカ・ファーガスン以下7人程度が搭乗。

地球への順調な帰路の機内では、ごく和やかにそれぞれの搭乗員が研究の整理をしているが、火星で採取した小さなミミズのような微生物を、試験管から移す作業のときに、部品を損傷した。

その研究者は、すぐに寄生虫のような幼虫を採取して観察していたが、みるみるその微生物は拡大して、係の研究家が興味を持って他のフラスコに移そうとしたときに、取り逃がしてしまう。

その幼虫のような生物は、まるでイカの足のようにクネクネと動き乍ら見る見る成長して、その捕獲に手こずっている研究者の宇宙服の中に入り込み、あっという間に、その技師の命を奪ったのだ。

狭い船内では、それほど隠れる場所はないのだが、その物体はどんどんと体型をヒトデのように変化させて浸食を繰り返して、音も出さずに他のロケット内の科学者たちも襲い出す。

生物を採取した科学者は最初の犠牲者になったのだが、そのエイリアンは見る見る大きな脚だけのタコのように成長して音もなくロケット船内を見え隠れしては搭乗員を襲うので、それぞれに身を守る。

しかし俊敏な動きを素早い動きで成長していくバケモノは、まさに獰猛な軟体動物と化して行動して、ひとり、またひとり、と、隊員の命を奪うので、それぞれに隔離スペースに身を隠す。

という異常事態が発生している間にも、ジェイクもライアンも、真田広之までが犠牲となり、宇宙船は地球に向けての高度を下げているのだが、とうとう女性船長は単身ロケットに乗って脱出を試みる。

さすがに、あの「デッドプール」という奇妙なスーパー・ヒーロー映画を作ったスタッフなので、この作品も予想以上のサスペンスで地球への急降下を進めて行く。

ま、たしかに「エイリアン」の外聞のような面白い展開だが、やっとベトナム辺りの海上に落下した宇宙船の帰還用ポッドには、まさに想定外のエンディングが待っていたのには、恐れ入った。

 

■センター・オーバーのライナーの大飛球で、セカンドにスライディング、写真判定。 ★★★☆☆☆

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