●6月25日(火)12-30 六本木<アスミック・エース試写室>
M-046『工作<黒金星と呼ばれた男>』"The Spy Gone North" (137分)シネマスコープ・CJ Entertainment、韓国
監督・ユン・ビョンビン 主演。ファン・ジョンミン 配給・ツイン
まさに今や、アメリカのトランプ大統領が、南北朝鮮の両首脳と手を取り合って会見をするニュース映像を見ると、これはまるでフィクションのようだ。
たしかに南北朝鮮が38度線で分断されて、日本ロケしたウイリアム・ホールデンが戦死する「トコリの橋」などを見ていた時代がウソだったような現実。
しかしこのスパイ工作映画は、たった1995年以後の話しで、韓国スパイに仕立て上げられたファンが、一種の産業スパイとして北との交流するルートを見つける。
多くの疑惑の難関を凌いで行く作品は、まさに産業スパイのようにサスペンスに満ちていて、まったく戦時の後の両国間の産業戦争には興味もないのだが、テンポはいい。
どこまでが真実で、どこがフィクションかは、当時の両国間の情勢に詳しい先生にお聞きした方がいいだろうが、それは別として、娯楽スパイ映画としては面白い。
あのクルーゾオ監督の「スパイ」や、ウィリアム・ホールデンの「偽の売国奴」、リチャード・バートンの「寒い国から帰ったスパイ」よりは、テンポも上々。
全編、ニコリともしないで、個人感情を封じてしまったような、マジ一点の青年ファン・ジョンミンもなかなかの好演ぶりで、映画を面白く回転させていく。
現実の政治情勢とは関係なく、南北の対立は、あのドイツの東西対決の時代がウソだった様に、これもいずれは笑えるサスペンスになってほしい
■レフトライナーを野手がファンブルする間に、セカンド・セーフ。 ★★★☆
●7月19日より、シネマート新宿他でロードショー●6月25日(火)12-30 六本木<アスミック・エース試写室>