細越麟太郎 MOVIE DIARY

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『スキャンダル』で描かれるニュース・キャスターの女権パワー。

2020年01月11日 | Weblog
●1月7日(火)13-00 外苑前<GAGA試写室>
M-001『スキャンダル』"Bombshell" (2019) Lions Gate Entertainment Inc. Bron Productions.Denver + Delilah.
監督・ジェイ・ローチ 主演・シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン <109分・シネマスコープ>配給・GAGA
つい5年前に起こった、あのFOXニュースの全米スキャンダルの背景を再現した作品だが、もう事件は集結してしまっているので、興味は半減。
しかしそのネタを、いまやピークのシャーリーズ・セロンと、ちょっと古参のニコール・キッドマンに、まだフレッシュなマーゴット・ロビーで彩る。
3大美人の現代劇となると、あのマリリン・モンローの「百万長者と結婚する方法」を思い出すというのは、ちょっと古すぎで失礼だが、ご勘弁願いたい。
あの「ネットワーク」も、たしかテレビ業界のトラブルを描いていたが、これは人気美人キャスターとスタジオのCEOとのセクハラ問題を再現している。
とはいえ、実際のCEOは他界しているので、そこの汚点には突っ込まないで、3美人によるテレビ業界での汚点を再現しているので、たしかにホットなテーマ。
このところ主演だけでなく、ここではプロデューサーも兼任しているシャーリーズ・セロンは、これで一気にオスカー・ダービーも制しようという意気込みだ。
以前に、東京のホテルで、シャーリーズ・セロンにインタヴューしたことがあるが、会見が終わって別れたのに、またエレヴェーターで戻って来たことがあった。
もう少し「言いたい事がある・・・」というので、こちらもスタッフを解散していたので困ったことがあったが、シャーリーズは立ち話で、言いたい事を追加したのだ。
それほど自分の主張には熱心な彼女だからこそ、このテーマに入れ込んだのだろうが、あのフェイ・ダナウェイの「ネットワーク」とは熱気の違うような業界摘発。
おそらく、今年のオスカー・ダービーでも話題を作るだろうが、悪役のCEOのジョン・リスゴーが、ちょっと臭い芝居で食い下がるので、印象はちょっとムサクルしい。

■ツーベース・ヒットだが、オーバーラン気味でキワドい判定。 ★★★☆
●2月21日より、全国ロードショー