細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『1917・命をかけた伝令』は、実に壮絶な、戦場の決死の<マラソン・マン>。

2020年02月23日 | Weblog
●2月15日(土)10-00 <109シネマズ二子玉川・9スクリーン>
M-014『1917・命をかけた伝令』<2019> Universal International Studio, DreamWorks Pictures.Storyteller Distribution.co.
 製作・監督・脚本・サム・メンデス 主演・ジョージ・マッケイ、コリン・ファース <119分・シネマスコープ> 配給・東宝東和
前評判が高くて、アカデミー賞でも多くの受賞を予想されていて、これはアカデミー賞受賞予想屋としては必見なので、朝の9時20分頃には試写室に。
しかし半蔵門の東和映画試写室は、すでに満席で、後から来た若い女性は、名刺の肩書きで入場して、哀れ、高齢映画評論家は入場お断り。
これでは、22年目の<キネマ旬報>誌の「アカデミー賞予想座談会」も出席できないので、とうとう今回で降板を決意してしまった次第。
しょうがないので、ロードショウの初日に、近所の109シネマズに行って、やっと見た・・・という情けない次第で、双葉十三郎さんも<ざまあみろ>と笑っている。
むかし、カーク・ダグラスの主演で「突撃」という戦争映画があって、それが第一次世界大戦だった、と思うが、これもあの時代の実戦映画で、他の背景はない。
とにかく軍の上官から伝令の命を受けた兵卒のジョージと、同僚の兵がふたりで、終始敵弾の交錯する激戦地を走り抜ける・・・という、ただそれだけの映画。
こうした激戦映画では、ジョン・ウェインやヘンリー・フォンダも共演した「史上最大の作戦」が印象に残っているが、こちらは、その数十年前の第一次世界大戦だ。
だから、近代兵器での空中戦も交えるでもなく、ただただ長い塹壕の中を戦死した兵隊の上を跨いで、とにかく伝令に駆け抜ける・・というそれだけの映画なのだ。
もちろん反戦映画でもヒーロー映画でもなく、これはダスティン・ホフマンの「マラソンマン」のように、ひたすらに戦場を走る若い兵隊の話しで、じつに虚しい。
それが<戦争>という人間の愚行なのだ、といわれれば・・・これも歴史の事実だし、しかし面白いか・・・というと、むしろ虚しい気持ちが強く残るのだ。

■センターのフェンスまでの長打で、一気にサードまで駆け抜けたが・・。 ★★★★+
●全国で公開中。