細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『サタンバグ』で、コロナ感染を、すでに予言していたとは・・。

2021年06月16日 | Weblog
●6月15日(火)21-40 ニコタマサンセット傑作座
OV-114-48『サタンバグ』The Satan Bug ( Metro-Goldwyn Mayer Studio-1964) Color Cinemascope Size/114min.
監督・ジョン・スタージェス 主演・ジョージ・マハリス、リチャード・ベイスハート <シネマスコープ・サイズ>
昨今の<コロナ騒動>で思い出して見たが、なにしろ、監督が、あの「OK牧場の決闘』や「老人と海」などの娯楽作品ではハリウッドの超一流。
公開当時は、渋谷の東急会館にあったロードショウ劇場<渋谷東急>で見たが、一種のSFサスペンスのうえに、スターバリューがなくて、広い場内はガラガラ。
まだ西部劇が主流の時代で、スタージェス監督は人気があり、スペンサー・トレイシー主演の現代ウェスターン「日本人の勲章」も評判が良かった時代だ。
その監督が、連続テレビ映画の人気者のジョージ・マハリスを主演にして、アクション・サスペンスの新作というフレコミだったので、かなり期待して見たのだが。
感染力の非常に強い、猛毒の病原菌の細菌が、アリゾナ州の砂漠の中にあるアメリカ陸軍の細菌研究所で保管されていたが、当直の研究員によって持ち出された。
当時はまだ、原子爆弾の実験などが、ネヴァダ砂漠で行われるので、近くのラスヴェガスなどの歓楽地も、その爆破前後には道路も封鎖されて、異常事態だったのだ。
研究所には、数人の研究員がいて、小動物などを実験にして、アトミック・ボムの小規模な実験を繰り返していたが、当然、機密は完璧に砦のなかで管理されていた・・。
数人の研究員が、乗用車で出入りするだけで、とくに砂漠での実験のない時期は、普通の研究所のような管理体制の日常で、不審な状況などはまったくない閑静な研究所。
マハリスは政府の調査警備員で、とくにトラブルの起こりえない日常なので、ガールフレンドのアン・フランシスと、近くのラスヴェガスなどに遊びに出ていた。
しかし、初老の研究員のベイスハートは、ある日の夕方に、退社のときに研究していた<サタンバグ>という猛毒の入った小瓶を持ち出してしまったのだ。
もしこの猛毒が、ロサンゼルスの上空で散布されたら、ほとんどの動物は全員死滅する、という劇薬なので、FBIや軍隊は、挙動不審な研究員の行方を捜索するのだが・・。
懸命の捜索で、マハリス刑事は、猛毒をロスの上空で散布するという直前に、飛行するヘリコプターの機上で犯人と格闘し、ボトルは市中に落とさずに、かろうじて奪回。
まさか、あれから半世紀もして、世界中がコロナ<サタンバグ>で、緊急事態になってしまうとは・・、あの名手ジョン・スタージェス監督も予測できなかったろう・・。

●在庫VHSテープでの鑑賞