●10月27日(水)10-15a、m、 二子玉川<109シアター・シアター2>
M-024『最後の決闘裁判』"The Last Duel" (2021) Warner Brothers Pictures,Walt Disney Pictures Presents.
監督・脚本、リドリー・スコット 製作・主演・マット・デイモン、ベン・アフレック,アダム・ドライバー <153分・ワイドスクリーン>
このところ、世界的なコロナ戦争のせいで、ハリウッド・メイドの新作が見られなくて、ファンとしては寂しい思いをしていたが、これは久々のメジャー作品。
あの「グッド・ウィル・ハンティング」で輝かしいハリウッド・メジャーにデヴュしたマットと、ベンはその後は、ご存知のようにそれぞれにトップ・スターとして大活躍。
久しぶりに彼らの旧友ぶりの、この再会の新作を「グラディエイター」や「ブレイドランナー」のベテラン、リドリー・スコットが監督した歴史大作なので期待した。
最近は、あまり見られなくなった中世フランス、1386年の<百年戦争>といわれた時代の戦闘と裁判を描いた、いかにも重厚で重苦しいコスチューム・ドラマ。
わたしの青春時代には「黒騎士<アイヴァンホー>」とか「ゼンダ城の虜」とか、中世期のフランスを舞台にした歴史アクションが多く、それが世界史の勉強になったものだ。
しかし、ハリウッドの<コスチューム・プレイ>というのは、スタジオ撮影の費用がかさむし、あのフェンシングの剣を起用に使えるスターもいなくなったのか、姿を消した。
エロール・フリンとか、スチュワート・グレンジャーとかいう、自身がかなりフェンシングの出来るスターもいなくなったのも、ハリウッドのスターの歴史。
その古典的な剣劇時代劇を、仲良しのマット・デイモンとベン・アフレックが再現しようとした企画は、やはり、スタジオではなく、イギリスの古城が舞台となった。
たしかに、<百年戦争>というのは、ヨーロッパの人間にとっては、わが<関ケ原決戦>のように、誰でもご存知になっている、<歴史的な常識>なのだろう。
監督も主演スターも、当然のように<思い入れ>の強い作品らしく、古城でのオール・ロケで撮影されたのはいいが、まるでローソクで撮影されたように、画面は暗い。
つまり、ハリウッド・スタジオ時代と違って、いまはオール・ロケーションでの撮影を強行したのか、とにかくスクリーンが暗いし、ロケも曇天での撮影ばかりなのだ。
これには、見ている方も陰鬱な気分になってしまって、ハリウッドスター・ムービーの筈なのに、まるで13世紀を再現したような画面の暗さには、閉口してしまった。
■高く上がったレフト・フライだが、ドーム天井に当たり、ショートフライ。 ★★★
●全国でロードショー公開中