細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『暴力都市*ラスヴェガス・ストーリー』の、夜の歓楽街を守るには、オレだ。

2021年11月03日 | Weblog
●1月27日(月)21-30 ニコタマ・サンセット傑作座<自宅VHS鑑賞>
OV-24-22『ラスベガス・ストーリー<犯罪都市>』"The Las Vegas Story"(1951)RKO Radio Pictures (VHS)
監督・ロバート・スティーブンソン 主演・ジェーン・ラッセル、ビクター・マチュア <スタンダード・モノクロ・88分>FMS
これぞ、50年代ハリウッド・B級プログラム・ピクチャー・・・という、ある種、当時の<低俗文化的な遺産>、のような典型的な娯楽作品。
当時は<プログラム・ピクチャー>といって、まったくアカデミー賞などは関係ない、二本立て興行用の、まさに他愛のない時間つぶしの低俗映画なのだが。
わたしは、まだ中学生頃だったが、近所の洋画専門館の宣伝の先輩との日常的なおつきあいで、事務所の裏口からフリーで入れてもらった時期に見た作品。
たしかこれも、<刺身のつま>のような前座作品で、メインの作品は「ゼンダ城の虜」や「キング・ソロモン」のようなカラー大作だったが。
しかし、わたしなどは、本当にハリウッド映画が好きになってしまったのは、このような何の足しにも記憶にもならない<トラッシュ・ムービー>だったのだ。
まだ「オーシャンズ11」などが生まれる前の、戦後間もない頃に見た、はじめてのラスヴェガスという風景は、高層ビルのニューヨークとは違った<アメリカ>だった。
座敷で花札を振るヤクザ映画とは違って、こうして初めて見る砂漠の都市ラスヴェガスの輝きは、われわれ少年の目には、まさに<賭博の蜃気楼>のような魅力に見えた。
「サムソンとデリラ」で人気ものだったビクター・マチュアは、いつものように眠そうな目で、この遊び人の放蕩都市を警備している、要するに<深夜のシェリフ>。
多くの賭博場にはギャンブラーたちが日夜、大金を賭けては人生の勝負に出て、多くはイカサマ賭博の餌食になって、砂漠の蜃気楼となって消えて行く。
ジェーンは元歌手だが、夢に破れてヴェガスに戻って来て、以前の恋人だった古参のシェルフ、ビクターと再会して、また犯罪事件に巻き込まれて行くのは、定番だが。
なぜか名曲「スターダスト」の作曲で有名なホーギー・カーマイケルが、クラブシンガーとして演技も達者な姿を見せているが、これぞ<50年代>の至宝なのだった。

■ボテボテのピッチャーゴロだが、センターへ抜けて行く妙打。 ★★★☆
●PFMサプライ・VHS