細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ジョーカー』は、まさにハロウィーンの悪夢のような悪のり悲劇。

2019年11月01日 | Weblog

10月19日(土)10-30 二子玉川<109シネマズ・3スクリーン>

M-086『ジョーカー』Joker:Put on a Happy Face (2019) Warner Brothers ,D.C.Comics  <122min.>

製作・ブラッドリー・クーパー 監督・脚本・トッド・フィリップス 主演・ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ  

DCコミックスの善玉ヒーロー<バットマン>にリヴェンジして、まるでライヴァル意識で登場したのが、この<ジョーカー>で、40年代の誕生だという。

これまでにも、「バットマン」では、ジャック・ニコルソンだったか、ヒース・レジャーだったか、とにかく悪玉の不気味な微笑を浮かべた<道化師>が印象的だった。

さすがに<スーパーマン>も<バットマン>も消えてしまった映画業界としては、この悪玉<ジョーカー>を主演にしての、極悪芸人映画としての悪臭が強い。

ニューヨークのブロードウェイなどの夜の歩道には、この厚化粧をした<ジョーカー>が徘徊しているが、わが渋谷の狂乱の<ハロウィーン>化粧のようだ。

ここでホアキン・フェニックスが怪演する<ジョーカー>は、あのダスティン・ホフマンが好演した『レニー・ブルース』のようなスタンダップ・コメディアンじゃない。

ステージにも出るが、ほとんどはロバート・デ・ニーロが好演した「タクシー・ドライバー」のように、ブロードウェイの舗道を徘徊している道化のサンドイッチマン。

ジョーカーの厚化粧のメイクアップしているのも、舗道の観光客を喜ばせるような陽気なショーバイではなく、日銭稼ぎの路上宣伝マンのようなもの。

俳優としても「スター誕生」などで、かなりマジな演技力のあるブラッドリーが製作、こうしてホアキンの演技に入れ込んだのも、その<ジョーカー>の裏面を描きたかったのだろう。

たしか53年だったか、フランク・シナトラが演じたスタンダップ芸人の恋を描いた『抱擁』は、<ジョーカー・イズ・ワイルド>という原題で、印象的だった。

しかし、この<ジョーカー>はステージで冗談を並べる唄う芸人の話しで、このホアキンの演じる<ジョーカー>は、ステージよりも、路上の仕事が多いようだ。

という印象では、あの「タクシー・ドライバー」に似ているが、ここではあのデ・ニーロが貫禄で出ているが・・・ラストで、悲惨で、とんでもないことになる。

 

■左中間の巧打でセカンドに滑り込むが、オーバーランで。 ★★★☆☆

●全国で公開中


1 コメント

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Unknown (onscreen)
2019-11-02 09:22:52
先日NYにいたんですが、映画館の入り口にこの映画の警告文が(汗)

映画の出来が良い結果、偶発的な事件の連鎖から暴動 に発展するサマが
ただの絵空事とは思えなくなるのは子供には毒だということでしょうか
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