●8月29日(土)20-30 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-145『狂った殺人計画』"Impact" (1949) United Artists Presents, Harry M, Popkin Productions
監督・アーサー・ルービン 主演・ブライアン・ドンレヴィ エラ・レインズ <モノクロ・スタンダード・111分>コスミックDVD/BOX
戦後のアメリカ映画ラッシュの時代には、多くのハリウッド娯楽映画の傑作が公開されて、それぞれにヒットをして敗戦の敵対意識を払拭するのに役立った。
わたしは幸運にも小学生で戦後を迎えたので、盛岡市の近所には立派な洋画専門劇場があり、多くのハリウッド映画に洗脳されてしまったのが、一生の体質になってしまった。
しかしこの作品は、クーパーやジョン・ウェインなどの人気俳優の公開作品の山に埋もれてしまって、公開されなかったB級<ハリウッド・ノワール>の一作だ。
いつも細い口ひげのブライアン・ドンレヴィという役者も、毎度クーパーやジョン・ウェインの陰で悪役などを演じていたので、とくに人気もなく、哀れ殺され役だった。
しかしこの作品は、その彼が主演で、しかも善良なビジネスマンなのだが、悪妻の浮気の陰謀で偽装交通事故で殺されかけて、重傷ながらもユタ州辺りの田舎町で、生き延びた。
新聞報道では交通事故で死亡したことになっていたが、別の惨死体と間違えられたらしく、田舎町で生き延びて、あの秀作「過去を逃れて」のように再生していく。
たまたまメカに強かったこともあって、その田舎町の修理工務店で働くことになって、美人のオーナーのエラにも気に入られて、第二の人生を送る・・という寸法。
つまりは当時のRKO映画などの定番ストーリーで、「過去を逃れて」も90年代にはジェフ・ブリッジス主演「カリブの熱い夜」としてリメイクされたような復活美談なのだ。
こうして埋もれたハリウッドB級サスペンスが、クリアーな映像でテレビ画像で見られるのも、コスミックの復活DVD/BOXによって、いま見られるのは、嬉しい時代だ。
亡くなられた和田誠さんや、石上三登志さん、大林宣彦さんらが、いまごろは天国でご覧になっているかも知れないが、ま、地上でも見られるのは幸福なこと。
ストーリーは定番通りで、ハメられたブライアンが、別人のように復活するのは「リベンジ」のケビン・コスナーと同様なのだが、ついニヤニヤとして楽しんでしまう。
■センター前の痛打を野手がトンネルしている間に、ツーベース。 ★★★☆☆
●コスミック出版、DVDムック「陰謀の世界」より
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