●8月18日(火)20-45 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-139『セメントの女』"Lady in Cement" (1968) Twenties Century Fox / Arcola-Millfield Production
監督・ゴードン・ダグラス 主演・フランク・シナトラ、ラクウェル・ウェルチ <94分・パナヴィジョン> フォックス・スタジオ・クラシックス
世紀のジャズ・シンガーのフランク・シナトラは、歌手という本業で百枚以上ものアルバムで、数えきれないジャズ・ソングをレコードに残したトップ・レジェンドだ。
しかしミュージカル映画にも「上流社会」の他にも多くの作品があったが、彼自身のプロダクションでは、刑事映画や探偵もののハードボイルド・アクションも残している。
マイアミの私立探偵「トニー・ローム」のシリーズ第2作のこの作品も、エンターテイナー・シンガーのコンサートやレコーディングの合間には、このお遊び作品もあった。
モーターボートというか、クルーザーを自宅にしているトニーは、近海の潜りも趣味だが、ある潜りで偶然に、全裸のまま足首にセメントで固定された美女死体を発見。
当然、警察に通報する一方で、暗黒街の裏社会に個人的にも通じているシナトラ探偵は、自分なりの情報網で死体の身元と、殺された背景も探って行く、という設定だ。
親友で刑事のリチャード・コンテとで、この謎めいた美女の全裸死体の殺害背景などを探って行くうちに、マイアミの裏社会の闘争図式が発覚してくるという寸法。
どこか、当時に人気のあったテレビ・ドラマの<刑事コロンボ>の多くのエピソードに似たような設定に、フロリダの陽光のせいか、まったくダーク・クライムでない。
なぜか前後して,シナトラは同じ監督のゴードン・ダグラスと組んで、ニューヨーク市警の『刑事』ものを作っているが、それに比べると、これは<バカンス探偵>の趣き。
多くのジャズアルバムをレコーディングして、ワールド・コンサート・ツアーを展開していた、これはシナトラのバカンス道楽探偵ものなのだろうが、タッチはシリアス。
ま、そうした道楽探偵映画といえばそれっきりだが、わたしのような<シナトラ・ファン>には、このコロナ・パンデミックスの最中には、実に心に嬉しいお遊び映画だ。
■左中間への軽いヒットだが、レフトがトンネル。 ★★★☆☆
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