細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●5月の思い出自宅名画座

2006年05月31日 | Weblog
●5月に見た独断と偏見の自宅映画館

1/「殺人者たち」(64)VHS 監督・ドン・シーゲル 主演・リー・マーヴィン ★★★★☆

2/「街の野獣」(50)VHS 監督・ジュールス・ダッシン 主演・リチャード・ウィドマーク ★★★★

3/「記憶の代償」(46)DVD 監督・ジョセフ・L・マンキウィッツ 主演・ジョン・ホディアック ★★★☆☆☆

4/「打撃王」(42)DVD 監督・サム・ウッド 主演・ゲイリー・クーパー ★★★☆☆☆

5/「追跡」(47) LD 監督・ラウォール・ウォルシュ 主演・ロバート・ミッチャム ★★★☆☆

6/「砦の29人」(66) LD 監督・ラルフ・ネルソン 主演・ジェームズ・ガーナー ★★★☆☆

7/「皇帝円舞曲」(48)LD 監督・ビリー・ワイルダー 主演・ビング・クロスビー ★★★☆☆

8/「百万長者と結婚する方法」(53)DVD 監督・ジーン・ネグレスコ 主演・マリリン・モンロー ★★★☆☆

9/「恐怖の土曜日」(55) VHS 監督・リチャード・フライシャー 主演・ビクター・マチュア ★★★☆

10/「白鳥」(56)LD 監督・チャールズ・ヴィダー 主演・グレイス・ケリー ★★★☆

以下、「呪いの血」(46)
「赤い家」(47)
「プロフェショナル」(66)
「セメントの女」(68)
「氷の微笑」(92)
「殺られる」(58)
「ナイト・ムーブス」(75)
「底抜け大学教授」(63)
今月も相変わらずのクラシックばかりでした。

●5月の試写ベスト・3とワースト。

2006年05月31日 | Weblog
●5月に見た試写のベスト3 &ワースト。

1/「ブロークン・フラワーズ」監督・ジム・ジャームッシュ、主演・ビル・マーレイ
 ★★★★ 中年男の人生に失った忘れ物を探す心の旅路。哀しくて可笑しくて情けない真実のコメディ。

2/「オーメン」監督・ジョン・ムーア、主演・リーブ・シュライバー
 ★★★☆☆☆ リメイクのポイントを確実にフォローしながらも、なかなか面白い今の時代タイプの上質サスペンス。

3/「ダ・ヴィンチ・コード」監督・ロン・ハワード、主演・トム・ハンクス
 ★★★☆☆☆ ベストセラー小説をハリウッド風ミステリーに仕上げた手腕は、及第点である。

●今月の拾い物。「2番目のキス」監督・ピーター&ボビー・ファーレル 主演・ドリュ・バリモア
 ★★★☆☆ ボストン・レッドソックス・オタクを軽妙に描いたMLBの快作コメディ。

◎今月のワースト 「ハード・キャンディ」監督・デビッド・スレイド
 ★★☆ テーマとセットなどはいいが、とにかく無理の多いストーリーと過剰な演出がクサくて不快だ。

●「M.I.-3」またもハイ・テンションなスパイ大作戦。

2006年05月30日 | Weblog
●5月30日(火)13-00 東銀座
M-067 「M.I.-3」Mission Impossible Three (2006) paramount 米
監督・J.J.・エイブラムス 主演・トム・クルーズ ★★★☆
探偵とスパイとホームレスは結婚してはいけない。
それなのに、イーサン・ハントはあっさり結婚してしまったものだから、新妻は拉致されて、イーサンは絶対絶命の危機。
しかもテロリスト国家に武器売買などをしている、影の戦争仕掛人ともいうべき極悪な宿敵ディヴィアンを、今年のアカデミー主演男優賞受賞のフィリップ・シーモア・ホフマンが演じているので、最悪の大ピンチなのだ。
いつものように、<アリエネー・アクション>の連続は、シュワルツュネガーの再来のよう。
全体にダークな画調で夜間撮影とセットが多いせいか、どうもアクションが痛快でない。
前作のアンソニー・ホプキンスのような司令塔が出ていないのも、寂しい。
妻帯者のスパイ生活は、あの「スパイ・バウンド」のように大変なのですよ。
それにしても、どうしてトムの共演者はアカデミー賞を獲ってしまうのだろう。

●「オーメン」あの悪魔の子がまた暴れ出した。

2006年05月29日 | Weblog
●5月29日(月)13-00 六本木<FOX試写室>
M-066 「オーメン」The Omen (2006) fox 米
監督・ジョン・ムーア 主演・リーブ・シュライバー ★★★☆☆☆
このところ連発されるリメイク映画では、一番良く出来ている。面白い。
1976年の、グレゴリー・ペック主演でヒットしたオリジナル作品は、悪魔の子供を持った家族の悲劇を強調して、恐怖映画というよりも、「エキソシスト」に共通した心霊映画の印象が強かった。
ところが今回のリメイクは、旧作のストーリーを踏襲しながらも、9-11以来頻発して起こった地球規模の大災害や事件も、もともとは悪魔の仕掛けた残酷な試練として、ただの恐怖映画でない説得力を持ち、その底辺にキリスト教に対する疑問も投射して、「ダ・ヴィンチ・コード」系のサスペンスになっている。
監督はこのところのアクション映画にシャープな映像を作るジョン・ムーアだから、どのカットも無駄がなく、悪魔の子供のメイド役に「ローズマリーの赤ちゃん」の母親ミア・ファーローを配したりして、ジョークも効いている。
リメイクも、ここまで入念に、しかもオリジナルへの敬意も表して作るのはご立派。
これが今年わたしが見た66本目の試写作品というのも、666の悪霊のせいだろうか。

●「カサノバ」の意外な恋の苦労話。

2006年05月26日 | Weblog
●5月26日(金)13-00 六本木<ブエナビスタ試写室>
M-065 「カサノバ」Casanova (2005) Touchstone 米
監督・ラッセ・ハルストレム 主演・ヒース・レジャー ★★★☆☆
「ショコラ」や「ギルバート・グレープ」のラッセ監督が、どうして「カサノバ」なのか。
それが心配で、どうも足が向かなかったのだが、普通の男のラブ・ストーリーだと聞いて、やっと見た。
17世紀の絢爛たるヴェニスを舞台に、シェークスピアの「ヴェニスの商人」のような芸人風の裁判もあって、案外にエンターテイメントに徹したコスチューム・コメディ。
さすがにスウェーデン出身監督の徹底した時代考証で、ヴェニスの華麗なシーンが再現され、サンマルコ広場での花火が見られる仮面舞踏会のシーンだけで楽しめた。
ジェレミー・アイアンズの司教のノリが、この作品の資質をシンボライズしている。
カサノバもただの男。観光気分でヴェニスを楽しむのがいいだろう。

●「トリノ、24時からの恋人たち」のキートン・タッチ。

2006年05月25日 | Weblog
●5月25日(木)13-00 京橋<メディア・ボックス試写室>
M-064 「トリノ、24時からの恋人たち」Dopo Mezzanotte (2004) 伊
監督・ダヴィデ・フェラーリオ 主演・ジョルジョ・パゾッティ ★★★☆☆
オリンピックとは関係のない、トリノを舞台にした映画的トライアングル・ラブ。
監督が映画研究家でもあり、バスター・キートンの感覚で描いた、トリュフォーのようなストーリー。
だから映画の歴史に強いファンには、味の濃い作品で、「アフター・ミッドナイト」という原題のように、3人とも深夜人間。
トリノにある映画博物館で夜警をしている青年は、近くのファスト・フード店で深夜まで働いている女性に恋をした。
しかし、彼女には高級自動車窃盗のプロのボーイフレンドがいた。
この不釣り合いな三人の「突然炎のごとく」のような、軽妙な恋が明け方までもつれて行く。
面白いが、古風な作品。これはこれで愉しいのだが・・・・。

●「アルティメット」の奔放ガチンコ・アクション。

2006年05月23日 | Weblog
●5月23日(火)13-00 六本木<アスミック・エース試写室>
M-063 「アルティメット」Banlieue 13 (2004) Europecorp 仏
監督・ピエール・モレル 主演・シリル・ラファエリ ★★★☆☆
CGも、スタントも、ワイアーもなしの本格ガチンコ・アクションの醍醐味は、確かにスゴイ。
2010年のパリ。郊外のバンリュー13地区は警察もお手上げの無法地帯。
パリ警察も見捨てた特殊な最悪エリアに殴り込みを賭けた正義の男ふたり。
ストーリーは西部劇だ。
ド派手なライブアクションと、強烈なラップのブラック・サウンズは、アニメ・ゲームのようだが、実写の迫力は魅力ある。
古典的なストーリーは他愛ないとしても、リュック・ベッソンの監督作品よりは面白い。
これが最新の代表的フランス映画とは思わないが、理屈抜きで楽しめた。

●「ポセイドン」の海中CUBE脱出アクション。

2006年05月20日 | Weblog
●5月19日(金)15-30 日比谷<ワーナー試写室>
M-062 「ポセイドン]Poseidon (2006) Warner bors. 米
監督・ウォフガング・ペーターゼン 主演・カート・ラッセル ★★★☆
またしてもあの豪華客船ポセイドン号が、高波に呑まれて転覆した。
新年のカウントダウンをしていた多くの乗客乗員は、自分の命のカウントダウンをしていたのだ。
「U-ボート」「パーフェクト・ストーム」など、海難ものの得意なペーターゼン監督は、まさに水を得た深海魚のように、圧倒的な水攻めでサスペンスを持続させる。
しかし脱出を決行しようとする人間の魅力や個性があまりにも平板なので、生死のドラマなのに、まるでシーワールドのアトラクションのようにリアリティーがない。
だからオリジナルの「ポセイドン・アドベンチャー」のことは忘れて、単純な海底のCUBEからの脱出アクションだと思って楽しめばいい。キャスティングをドタキャンして、船を降りたクライブ・オーエンは正解だった。

●「ダ・ヴィンチ・コード」の原作になかった部分。

2006年05月19日 | Weblog
●5月18日(木)14-00 有楽町<読売ホール>試写
M-061 「ダ・ヴィンチ・コード」The Da Vinch Code (2006) sony-imagine 米
監督・ロン・ハワード 主演・トム・ハンクス ★★★★
大ベストセラー小説の映画化なので、本を読んだひとはストーリーよりもイメージの広がりに期待するだろう。
わたしも本は読んでいるので、スピーディな展開に気軽にフォローできて退屈はしなかった。
まずまずは謎解きと連続追跡の一級サスペンス映画になっている。
しかし、宗教的な陰謀の背景は、依然としてワカラナイままだ。
それは映画のせいでなくて、わたしのカトリック教会やシオン修道会、オプス・デイなどへの無関心のせい。
ロン・ハワードは、さすがに入念な映像表現を見せるし、トム・ハンクスも悪くはない。
すべてに及第点の作品だが、ダン・ブラウンが、原作になかった部分をシナリオに加えた、という箇所までは解明できなかった。
これも、ひとつの「自分探しの冒険」であり、永遠の謎なのだろう。

●「2番目のキス」は2度目でも愉しい。

2006年05月17日 | Weblog
●5月17日(水)13-00 六本木<FOX試写室>
M-060 「2番目のキス」Fever Pitch (2005) fox 米
監督・ピーター&ボビー・ファーレル 主演・ドリュ・バリモア ★★★☆☆☆
去年の夏にメジャー・リーグの観戦のために乗った飛行機の中で、2度も見たのだが、酒を飲んで寝てしまったり、食事の途中だったりして、ちゃんと見たのは、今日が初めて。
野球ファンなら★が多くなる愉しいラブ・コメディだ。
しかも、奇跡的なボストン・レッドソックスのワールド・シリーズの優勝のかかったシーズンを、あのフェンウェイ・パークでロケしているので、もうそれだけで、この映画は楽しめる。
もし野球に興味がないとしても、男には好きな女性にも譲れない夢があることを、切なくも告白した素直さは、共感出来る筈だ。
ぼくだって、スタジアムのシーズン・チケットがあったら、スケジュールは優先するだろう。ワカル。ワカル。
ドリュ・バリモアは完全にメグ・ライアンのポジションを奪ってしまった。
●その前にアスミック・エースの試写室で、「ハチミツとクローバー」の試写を見たのだが、青春映画なのに、さっぱり若さの感じられない不思議な映画で、閉口してしまった。