●6月8日(火)13-00 神谷町<ソニーピクチャーズ試写室>
M-068 『終着駅/トルストイ最後の旅』The Last Station (2009) sony classics 米
監督/マイケル・ホフマン 主演/ヘレン・ミレン ★★★☆☆☆
1910年の晩秋。82歳の文豪トルストイは家出をした。
モスクワ郊外のアスターポヴォ駅で最期のときを迎えるまでの数日を描いた作品で、ハリウッド映画ではあるが、当時の時代や風土などは、かなり考証された現地のロケーションが美しい知的な作品だ。
主演はあの文豪ではなく、むしろその生涯を支えたソフィア夫人。この存在感が作品の資質を非常に高めている。
一種の悪妻ものだが、それは作家の高名を食い物にしようとした善意ある後援者たちから、主人の時間を守ろうとしたガーディアン・エンジェルとしての存在であって、例によってヘレンの演技が光彩を放つ。
彼女とトルストイを演じたクリストファー・プラマーは、揃ってアカデミー賞にノミネートされたが、彼らのアンサンブルの見事さは、まさに白眉だ。
秘書の視線として描いた横移動のカメラもまた素晴らしい。
あのアガサ・クリスティの失踪を描いた『アガサ』にも似ているが、ひとりの老人の終着駅と、その夫婦愛を見つめた傑作である。
■ライト線を抜けた技ありの渋いツーベースヒット。
●9月、TOHOシネマズ シャンテなどでロードショー
M-068 『終着駅/トルストイ最後の旅』The Last Station (2009) sony classics 米
監督/マイケル・ホフマン 主演/ヘレン・ミレン ★★★☆☆☆
1910年の晩秋。82歳の文豪トルストイは家出をした。
モスクワ郊外のアスターポヴォ駅で最期のときを迎えるまでの数日を描いた作品で、ハリウッド映画ではあるが、当時の時代や風土などは、かなり考証された現地のロケーションが美しい知的な作品だ。
主演はあの文豪ではなく、むしろその生涯を支えたソフィア夫人。この存在感が作品の資質を非常に高めている。
一種の悪妻ものだが、それは作家の高名を食い物にしようとした善意ある後援者たちから、主人の時間を守ろうとしたガーディアン・エンジェルとしての存在であって、例によってヘレンの演技が光彩を放つ。
彼女とトルストイを演じたクリストファー・プラマーは、揃ってアカデミー賞にノミネートされたが、彼らのアンサンブルの見事さは、まさに白眉だ。
秘書の視線として描いた横移動のカメラもまた素晴らしい。
あのアガサ・クリスティの失踪を描いた『アガサ』にも似ているが、ひとりの老人の終着駅と、その夫婦愛を見つめた傑作である。
■ライト線を抜けた技ありの渋いツーベースヒット。
●9月、TOHOシネマズ シャンテなどでロードショー