●12月25日(水)13-00 外苑前<GAGA試写室>
M-163『RUSH / ラッシュ/プライドと友情』2013 exclusive media, cross creek pictures / imagine entertainment
監督・ロン・ハワード 主演・クリス・ヘムズワース <123分> 提供・ギャガ+ポニー・キャニオン ★★★☆☆
どうしてプロデューサー業に転じた筈のロンが、またしても監督したのか。それも何とスピード・レースの古典的な男のライバル映画を。
という単純な疑問だけで見たのだが、前に見たポール・ニューマン主演の「レーサー」のように、F1レースを転戦する男たちの話だ。
たしかに、これが実話だという点では、70年代という時代を背景にした実録再現映画としてはパワーはある。
しかも最新のヴィジュアル・エフェクトと、手持ち小型カメラの再現映像には迫力があって、あの「栄光のル・マン」や「グランプリ」を凌ぐ。
さすがにオスカー受賞監督ロン・ハワードは、ライバルのニキ・ラウダの事故シーンから、後半一気に手術、リハビリを経て復活する男の勝負魂は熱く見せる。
前半のもたついたストーリー・テリングも、ラストの雨の富士スピードウェイになだれ込む迫力は、ベテラン監督の腕前を再現してみせた。
非常に小刻みなスピード・カットと、いつものハンス・ジマーのサスペンスフルなロック・ビートの大音響は、映画というよりはイベント・フィルムのようだ。
その問答無用な怒濤の映像と音響のド迫力で後半は押し切った。
ポイントはスピード・レースというよりは、この不屈のライバル同士の闘争心の友情だろう。そこは西部劇のようなラストの爽快感がある。
瀕死の重傷から復帰したニキが、ラストで雨中の走行を辞退したというシーンが印象的だった。ダニエル・ブリュールの演技も光った。
これで、ロンがまた監督に復帰するかどうか、それはまた別の問題だろうが・・・。
■強烈なサードライナーが、野手のグラブを弾いて足のツーベース。
●2月7日より、全国ロードショー