細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『ホビット・竜に奪われた王国』の壮絶なドラゴンとの死闘。

2014年02月05日 | Weblog

2月3日(月)12-30 内幸町<ワーナー・ブラザース映画試写室>

M-013『ホビット・竜に奪われた王国』The Hobbit / The Desolation of Smaug (2013) warner brothers / MGM / new line cinema

監督・ピーター・ジャクソン 主演・イアン・マッケラン <161分> 配給・ワーナー・ブラザース映画 ★★★☆

ディズニーとマーヴェルが組んで「アイアンマン」のシリーズで稼げば、ワーナーはニューラインと「ハリー・ポッター」の後釜の布陣。

しかも「ロード・オブ・ザ・リング」3部作で牙城を築いたピーター・ジャクソンとの新たなる3部作の、これはその第2作となる。

2年前に公開された「ホビット・思いがけない冒険」に次いで、今回は凶暴で巨大なドラゴンとの格闘となる。これが長尺の半分もの戦いなのだ。

すっかりこのスーパー・ファンタジーのゲーム感覚を手中にしたピーターは、ここで3Dの上にフィルムのシャープネスを従来の手法に倍増したという。

だからレンタルDVDなどで見ても、その映像的な真価はうかがえない。つまり、アイマックスの大画面で見なくては、この作品の魅力は半減するだろう。

しかもお話は、あの「ロード・オブ・ザ・リングス」にも出ていたホビットこと、小人たちの失われた故郷とその城の奪還がストーリーの格になる。

正に故郷を追われたかつての住民とその助っ人の構図は「七人の侍」のようでもあって、盗賊がスーパー・ドラゴンというような構図だ。

この毒蛇に羽のついたような怪獣が、古城の地下の宝物の山に住みついていて、縦横武人に飛び回るのが、3Dの効果で凄まじく、かなりサービス充分。

ま、ピーターは、おそらくこのスーパー怪獣のアクションのリアリティで勝負したいらしく、ちゃんとアカデミー賞でも特殊効果ではノミネートされている。

キップリングの「ジャングルブック」の大蛇よりも遥かに凶暴なドラゴンは、またも暗黒の空中に消えて行くから、次の第3作でもまた奮闘するのだろう。

あのオーランド・ブルームも、かなりお疲れの表情で登場するが、3時間近いビッグスクリーンのファイトゲームに参戦したい、お元気な方はどうぞ。

 

■フルカウントから大きなファールを連発したが、最後はセカンドフライ。

●2月28日より、新宿ピカデリーほかでロードショー 


●新年プログラムはボケ防止ランダム興行。

2014年02月03日 | Weblog

1月の二子玉川サンセット傑作座<自宅>上映ベストテン

 

1・『郵便配達は二度ベルを鳴らす』42(ルキノ・ヴィスコンティ)主演・マッシモ・ジロッティ LD

   3度も映画化されたジェームズ・ケインの名作ノワールを、イタリアン・リアリズムな鮮烈なハードタッチで描破した巨匠の初期の傑作。

 

2・『出獄』48(ヘンリー・ハサウェイ)主演・ジェームズ・スチュワート DVD

   間違って逮捕された男の容疑を晴らすために、執拗に再調査する新聞記者の追求を、ドキュメンタルなカメラで追った執念。

 

3・『アデルの恋の物語』75(フランソワ・トリュフォー)主演・イザベル・アジャーニ VHS

   18世紀のアメリカ離島基地まで、憧れの青年兵士を追いかけたヴィクトル・ユーゴーの娘の切ない傷心実話を描いた妄執の悲劇。

 

4・『野菊の如き君なりき』55(木下恵介)主演・笠 智衆 VHS

   かつて信州の田園での初恋が、地主の息子と女中という差別で葬られた。その少年が老人となり少年時代に恋をした少女の墓を訪ねる旅路。

 

5・『潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ』93(ランダ・ヘインズ)主演・サンドラ・ブロック VHS

   マイアミで隠居している二人の老人は、カフェの美人ウェイトレスと会話するのが楽しみで、毎日のようにベーコンサンドをオーダーする。

 

6・『父親たちの星条旗』06(クリント・イーストウッド)主演・ポール・ウォーカーの冥福を祈って。DVD

 

7・『T・メン』47(アンソニー・マン)主演・デニス・オキーフ DVD

 

8・『危険な場所で』52(ニコラス・レイ)主演・ロバート・ライアン DVD

 

9・『勝利者』63(カール・フォアマン)主演・ジョージ・ペパード DVD

 

10・『百万長者と結婚する方法』53(ジーン・ネグレスコ)主演・マリリン・モンロー DVD

 

★その他に見た傑作

『幻の女』44・フランチョット・トーン

『ゲット・ア・チャンス』00・ポール・ニューマン

『ガラスの鍵』42・アラン・ラッド

『おかしな二人・2』98・ジャック・レモン

『ふるえて眠れ』64・ブルース・ダーン

『僕のニューヨークライフ』03・ウディ・アレン

『ショック・プルーフ』49・コーネル・ワイルド

『ミート・ダニー・ウィルスン』51・フランク・シナトラ

『ツレがウツになりまして』12・佐々部 清・・・・・・●ボケ防止のための無差別セレクションでした。

 


●やっぱりウディ・アレンのバッドジョークは面白い。

2014年02月02日 | Weblog

1月に見た新作映画試写ベスト4

 

1・『ブルージャスミン』(ウディ・アレン)ケイト・ブランシェット ★★★★☆

  マンハッタンの富豪が浮気と破産の末に自殺して、残された中年美人妻は一気に天国から地獄へ急降下の苦笑いという秀逸の悲喜劇。

 

2・『アデル、ブルーは熱い色』(アブデラティブ・ケシシュ)アデル・エグザルコブロス ★★★★

  女子高生アデルは青い髪の女子と恋におちたが、些細な事から亀裂が生じるというデリケートな感情の動きを美しいカメラで捉えた3時間。

 

3・『ネブラスカ・ふたつの心をつなぐ旅』(アレキサンダー・ペイン)ブルース・ダーン ★★★☆☆☆

  100万ドルの賞金が宝くじで当選したと信じる老人は旅にでるが、不肖の息子は渋々と父親の心の旅路に同行するという果てしなく相克のこころ。

 

4・『それでも夜は明ける』(スティーブ・マックイーン)キウェテル・イジャフォー ★★★☆☆☆

  19世紀のアメリカ南部。間違いから逮捕拉致された黒人音楽家は、奴隷として強制労働を12年間も強いられたという実話を入念に映画化。

 

★そのほかに印象的だった新作

『オール・イズ・ロスト』独演ロバート・レッドフォード 

『東京難民』佐々部 清監督

『僕は友達が少ない』主演・瀬戸康史・・・・といったところ。