●4月25日(金)13-00 九段下<角川映画試写室>
M-043『ビヨンド・ザ・エッジ<歴史を変えたエベレスト初登頂>』Beyond the Edge (2013)general film corporation ・ニュージーランド
監督・リアン・プーリー 主演・チャド・モフィット <91分・3D> 配給・KADOKAWA ★★★★
1953年5月29日。ちょうど60年前の今日、イギリスの登山家エドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジンが、人類で初のエベレスト登頂に成功した。
当時もいろいろのニュース映画や、劇映画「エベレスト征服」などで、その快挙は紹介されて、われわれも興奮して見入った記憶がある。
この映画は、その当時の実情を、ニュースフィルムをベースにして、3Dカメラと俳優たちを使って再現した、実に忠実で渾身の新しい作品。
それまでにも、世界各国の登山家グループが世界最高峰への登頂を試みては失敗を繰り返していた。急変する悪天候と雪崩で、多くの登山家が亡くなっていた鬼門だ。
イギリスのグループも33年もの昔から挑戦しては失敗を繰り返していたが、この年も入念なプランと、多くのスタッフを動員して3月から実動を開始。
映画では、その当時の装備と人員と機材などを現地で用意して、実に忠実に<再現ドラマ化>をしていくが、無駄なショットは避けて、ラストの二人の行動に肉薄するのだ。
もし試写室の気温と気圧と強風も、同じような条件であったら、とてもわれわれは平然とは見ていられまい。それを、ふと考えると恐怖する。
ネパールのカトマンズで、用意された機材や食料などを30人のシェルパと600人のポーターでベースキャンプまで搬送。
そのプロジェクトの第一グループが登頂に失敗したために、ヒラリーとテンジンは、9つのキャンプを経由して、とうとうその日の11時30分。8848メートルの山頂に立つのだ。
見どころは、やはり、その世界最高点からの360度を見晴らすナマの3D映像の素晴らしさ。これが、映画という映像文化の魅力だろう。
「ロード・オブ・ザ・リングス」の映像スタッフを起用したという、この作品は、実に冷静に奢る演出もなく、ただただ実像ならではの美景を見せてくれる。
CGやスクリーン・プロセスやエフェクトなどのトリッキーな手法をまったく使用しない映像美と臨場感は、これこそが<映画だあ・・・>という魅力が溢れている。
■フルカウントでファールのあと、文句なしのバックスクリーン直撃弾。
●6月28日より、ヒューマントラストシネマ渋谷などでロードショー