●9月16日(火)13-00 神谷町<ソニー・ピクチャーズ試写室>
M-104『イコライザー』" The Equalizer" (2014) sony pictures / columbia pictures / village roadshow
監督・アントワーン・ヒュークア 主演・デンゼル・ワシントン <132分> 配給・ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント ★★☆☆☆
このところ、デヴィッド・エアー、アントン・コービンという当代のお気に入り監督の新作が続いて、ウハウハしていたが、このヒュークア監督も大のお気に入り。
特にデンゼルと組んだ「トレーニング・デイ」や「クロッシング」は、素晴らしいノワール感覚の傑作で、彼らの新作となると他の作品は後回し。とにかく早く見たい。
しかもデンゼル・ワシントンは、いまのハリウッド・サスペンス映画の中では最も充実したキャリアを20年も持続している超一級のベテランだから、格が違う。
タイトルの「イコライザー」というのは、<平穏>とか、<バランス>のような意味があるらしい。あのジョン・フォードの名作「静かなる男」と似たようなニュアンスなのだろう。
デンゼルは、もとCIAの特別捜査官として活躍したベテランだったが、その激務の連続と事件のトラブルで現役を抹消。捜査中の事故死ということで、当局をリタイアした男。
ちゃんと葬式もして自分の墓もあるが、いまは名前も戸籍も変えて、昼間はホームセンターの従業員として勤務。夜はスナックでひとり読書しているという、一見、フツーのおっさんなのである。
しかしある夜、「老人と海」を読みながら、カウンターにいたジャンキーの少女、クロエ・グレース・モレッツと雑談していたら、彼女がチンピラに絡まれたことからトラブルに巻き込まれた。背景には巨大悪徳組織。
話としてはデンゼルが演じた「マイ・ボヂィーガード」と似たようなもので、事件の展開は「スーパーマン」系統だが、とくにマントに着替えて空を飛んだりはしない、ただの静かな元敏腕捜査官。
映画はハリウッド・エンターテイメントの常套な展開で、いちど鍛えられたエージェントの感覚とスキルや身体能力は、些細な悪事も知らぬふりは出来なくなり、ついに悪漢どもに対決していく。
ところが、ヒュークアにしてはドラマ展開がお粗末で、悪漢のロシアン・マフィアの首領を演じるマートン・ソーカスがパッとしない。メンズ・マガジンのモデルのようないい男だがワン・パターン。
しかも、肝心のクロエはまったく姿を見せないまま、アクション・ドラマは都会の夜の暗がりで途方もなく展開を繰り返すものだから、あれよあれよの大延長戦となって、ああ、退屈。
世界のSONYが、業績不振だというが、このような映画を作っていては、とても軌道修正は難しいな・・・なんて、余計な心配までしてしまう。
■またもファールを連発したが、結局はファースト・フライ。
●10月25日より、新宿ピカデリーほかでロードショー
●9月16日(火)13-00 神谷町<ソニー・ピクチャーズ試写室>
M-104『イコライザー』" The Equalizer" (2014) sony pictures / columbia pictures / village roadshow
監督・アントワーン・ヒュークア 主演・デンゼル・ワシントン <132分> 配給・ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント ★★★
このところ、デヴィッド・エアー、アントン・コービンという当代のお気に入り監督の新作が続いて、ウハウハしていたが、このヒュークア監督も大のお気に入り。
特にデンゼルと組んだ「トレーニング・デイ」や「クロッシング」は、素晴らしいノワール感覚の傑作で、彼らの新作となると他の作品は後回し。とにかく早く見たい。
しかもデンゼル・ワシントンは、いまのハリウッド・サスペンス映画の中では最も充実したキャリアを20年も持続している超一級のベテランだから、格が違う。
タイトルの「イコライザー」というのは、<平穏>とか、<バランス>のような意味があるらしい。あのジョン・フォードの名作「静かなる男」と似たようなニュアンスなのだろう。
デンゼルは、もとCIAの特別捜査官として活躍したベテランだったが、その激務の連続と事件のトラブルで現役を抹消。捜査中の事故死ということで、当局をリタイアした男。
ちゃんと葬式もして自分の墓もあるが、いまは名前も戸籍も変えて、昼間はホームセンターの従業員として勤務。夜はスナックでひとり読書しているという、一見、フツーのおっさんなのである。
しかしある夜、「老人と海」を読みながら、カウンターにいたジャンキーの少女、クロエ・グレース・モレッツと雑談していたら、彼女がチンピラに絡まれたことからトラブルに巻き込まれた。
話としてはデンゼルが演じた「マイ・ボヂィーガード」と似たようなもので、事件の展開は「スーパーマン」系統だが、とくにマントに着替えて空を飛んだりはしない、ただの元敏腕捜査官。
映画はハリウッド・エンターテイメントの常套な展開で、いちど鍛えられたエージェントの感覚とスキルや身体能力は、些細な悪事も知らぬふりは出来なくなり、ついに悪漢どもに対決していく。
ところが、ヒュークアにしてはドラマ展開がお粗末で、悪漢のロシアン・マフィアの首領を演じるマートン・ソーカスがパッとしない。メンズ・マガジンのモデルのようないい男だがワン・パターン。
しかも、肝心のクロエはまったく姿を見せないまま、アクション・ドラマは都会の夜の暗がりで途方もなく展開を繰り返すものだから、あれよあれよの大延長戦となって、ああ、退屈。
世界のSONYが、業績不振だというが、このような映画を作っていては、とても軌道修正は難しいな・・・なんて、余計な心配までしてしまう。
■またもファールを連発したが、結局はファースト・フライ。
●10月25日より、新宿ピカデリーほかでロードショー