●3月28日(火)13-00 六本木<アスミック・エース試写室>
M-037『赤毛のアン』" L.M. Montgomery's Anne of Green Gables " (2015) Breakthrough Entertainment, Gables Productions カナダ
監督・ジョン・ケント・ハリソン 主演・エラ・バレンタイン、マーティン・シーン <89分・ビスタサイズ> 配給・シナジー
この世界的に有名な少女小説のことは「オズの魔法使い」や「若草物語」「赤ずきん」などと同様に、少女小説のベストセラーだということ程度しか知らなかった。
たまたま午前中に試写で見た映画のことを、3月中には公表してはならない、という書面にサインしたために、その後に見たこの映画のことを書くことになった次第。
ま、試写を見ていると、最近はよく、公開事前の情報コントロールをされる関係で、こうゆうこともあり、お陰でこうして偶然に、思いがけずにアンにもお目にかかった・・・という次第。
カナダのプリンス・エドワード島というのは知らないが、「ミモザの島・・・」のように、本土からは少し離れた、あの<モン・サン・ミッシェル>か、江ノ島みたいな所だろう。
その島の農場に、孤児院から少年の手伝いの派遣を頼んだのに、何かの手違いで、おしゃべりで小生意気な少女、アンがやってきて、老農夫のマーティン・シーンは困惑してしまう。
あの「地獄の黙示録」のマーティンも、すっかりジジイになってしまって、見ている我が身の老化を心配してしまうが、その他には見た事もないカナダの俳優たちがドラマをまとめるのだ。
とにかく、「レ・ミゼ・・」でコゼット役を演じたというエラは、元気溌剌で身勝手な行動派だから、あの「アンネの日記」の少女とは正反対な強気な少女で、出ずっぱりの独演。
その農家を仕切っているオバさんのカナダの名女優サラ・ポッツフォードもアタマが痛いし、老父のマーティンは無駄な抵抗はしない傍観ジジイ。
どうやら、これはカナダのテレビ映画のために製作された作品のようで、15分くらいでドラマのエピソードはフェイドアウトしてしまうので、「奇跡の人」のようには過激に盛り上がらない。
その風光明媚なプリンス・エドワード島の四季の変化を美しく見せて、ドラマとしては、その強気のアンの行動に翻弄される老夫婦家族の混乱ぶりを淡々と描いて行く。
そして当然のように、アンの本家はリッチな本土の<お嬢さん>なのに、彼女は貧しいこの島の老人農家の家にステイすることを決める・・・のは、予想通り。
こうしてみると、男の子よりは、女の娘の方が言いたい放題のわがままで、自分は王女さまのつもりで生き抜いて行くド根性が痛快で、それがこのオリジナルの人気の元なのだろう。
■強引な初球ピッチャーゴロを投手が弾いて、強襲安打。 ★★★
●5月6日より、全国ロードショー